ユグドラシル聖戦記外伝

コウヘイが士官学校に入学した次の日・・・

「ふぁ~あ・・・・今何時だ・・・・」

ベッドから起きたコウヘイは時計を見る。

「・・・・・5時・・・50分!?」

コウヘイは6時までに起きないと朝食に間に合わないと言う事を思い出した。

「・・・・・おい!起きろ!!あと10分で6時だぞ!!」

コウヘイはそう言ってユウキを起こす。

「う・・・・あと5分・・・」

「馬鹿言うな!!さっさと起きろ!!」

こうしてコウヘイ達の一日が始まるのであった。




士官学校編第2章「BE WITH YOU」




「ふ~、なんとか朝食には間に合ったな」

食堂に辿り着いたコウヘイとユウキ。

「今日の朝飯なんだっけ?」

ユウキがコウヘイに聞く。

「・・・・・・知らん」

「・・・・・まぁ、いいけどさ」

と、ユウキが朝食のメニューを見に行こうとすると・・・

「あ、コウヘイ様、おはようございます」

と、ユーリがコウヘイ達に気づいて近寄ってきた。

「おはよう、ユーリ」

「コウヘイ・・・お前、彼女と知り合いなのか?」

ユウキがコウヘイに尋ねる。

「ん?ああ・・・親同士が友人なんだよ」

「ふ~ん・・・いいな・・・こんなカワイイ子と知り合いなんて・・・」

「・・・・・何言ってるんだ?お前は・・・・ところでユーリ、今日の朝食のおかず何だっけ?」

「え?たしか、味噌汁と鮭の塩焼きと卵だったと思いますけど・・・」

「・・・・とても城じゃ食べられそうじゃない食事だな・・・」

こうして朝食の時間は過ぎていくのであった。




「・・・午前の授業は・・・歴史か・・・」

時間割票を見ながら準備するコウヘイ。

「歴史ってことはお前のご先祖様も出るんじゃないか?」

ユウキがコウヘイに尋ねる。

「先祖ねぇ・・・・・まぁ、ダインぐらいしかわからないが」

「・・・・お前って記憶力ないんだな・・・」

「・・・・・悪かったな、コウキ」

「・・・・それは本気で言ってるのか、わざとなのかどっちなんだ・・・・」




案の定、歴史の授業でコウヘイはダイン以外の先祖の名前を知ることになる。




食堂・・・

「う~ん・・・」

と、黒板の内容を写したノートを見ながら暗記しているコウヘイ。

「コウヘイ、何食べるんだ?」

ユウキがコウヘイに聞いてくる。

「・・・んじゃ、丼を頼む」

「わかった」

そう言うと、ユウキは食券を買いに行った。

「ふ~、・・・・○○○年、×××が起こる・・・」

などとブツブツ言ってるコウヘイの隣りの椅子にユーリが座る。

「コウヘイ様・・・何やっているの?」

「さっきの授業の内容の暗記・・・・△△△年、□□□が起こる・・・・」

「・・・・大変ですね・・・ところで、ユウキ様は?」

「アイツなら食券買いに行ったよ・・・・○×△年、□☆○が起こる・・・」

「そうですか」

そこへ・・・

「あれ?ユーリじゃないかい?」

と、会話している二人にある人物が話しかけてくる。

「オスカー様!」

話しかけてきたのは当時3年生だったオスカーであった。

「元気そうだね、ユーリ」

「オスカー様もお変わりなく」

「ユーリ・・・知り合いなのか?」

「ええ、こちらはユグドラシル王国のオスカー王子です。オスカー様、こちらはトラキア王国のコウヘイ王子」

コウヘイは「そういえば、ユグドラシルの王家は王女と王子の姉弟だったな」と思い出していた。

「よろしく、コウヘイ様」

「こちらこそ、オスカー王子」

とりあえず、色々と雑談するコウヘイ&ユーリ&オスカー。

「買って来たぞ~」

と、ユウキが帰ってくる。

「サンキュー、コウキ」

「だからユウキだって!!」

結局コウヘイがユウキの名前を完全に覚えるのはこの半年後のことである。




・・・・・約1年後

コウヘイ達は2年生になっていた。

「明日から戦闘の授業か・・・」

コウヘイがユウキと神経衰弱をしながら呟く。

「フッ・・・・まぁ俺のカッコイイ姿を女子にアピールしないとな」

「お前・・・・本当に女好きだな?」

「・・・・・お前は逆に女恐怖症にも見えなくないが・・・」

コウヘイはユーリを除くとあまり女子と話したりする事はない。

「そんな事はないがどうでもいいのは事実だな」

「じゃあ、ユーリのことはどう思ってるんだよ?」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・聞いた俺が悪かった・・・・」

「・・・・・これで最後と・・・何組みあるかな・・・?」

「・・・・・・・俺は13組みだ」

「俺は14組みだから俺の勝ちだな、ユウキ」

「ちっ・・・・これで157勝162敗か・・・」

「さて、寝るとするか。明日も早いし」

トランプを片付けてさっさとベッドに入るコウヘイであった。




次の日・・・・

「ところで、コウヘイ。お前は余裕ぶってるけど、戦闘の訓練したことあるのか?」

集合場所に行く途中にユウキがコウヘイに尋ねてくる。

「ん?ああ、親父に槍術をみっちり叩き込まれたよ」

「なるほどね・・・・」




この後コウヘイは戦闘の成績はずば抜けて高い評価をもらう事になる。




数ヶ月後・・・

「そろそろ夏休みか・・・・」

コウヘイは食堂のカレンダーを見ながら呟く。

「今年もトラキアには帰らないのか?」

コウヘイは夏休みや冬休み、春休みのときも面倒くさがってトラキアに戻っていなかった。

「まぁな・・・・学力テストに備えてこっちで勉強しとく」

この学校は夏休み終了直後に学力テストがある。

「ふ~ん・・・と、そろそろ教室に戻ろうぜ」

「ああ・・・そうするか」




そして午後の授業中・・・

「で・・・ここの公式が××で・・・・」

と、教師が数学の公式を説明していたその時・・・

ガラッ

と、急に教室のドアが開いて伝令と思われる兵士が入ってくる。

「すみません、ユーリ様はいますか!?」

「はい・・・・何かあったの?」

「はっ・・・・クラウディア様が危篤で・・・・」

「・・・・・・・・!!お母様が・・・・!?」

「はい・・・・」

その後、伝令は色々と報告して去って行った。

「・・・・・お母様・・・・」

その後の授業もユーリはいつもと比べると体はここにあっても心は別の世界という感じで授業もあまり聞いているようには見えなかった。




放課後・・・

「おいユーリ、ナディアに帰らなくていいのか?」

コウヘイがユーリに尋ねる。

「帰りたいわよ・・・・でも・・・・コウヘイ様も知っているでしょう?遠くへ外出する時は1週間前に許可を貰わないといけないって・・・」

「だから死にそうな親に会わないのかよ?同じ立場だったら俺は御免だね。もう会えないのに見て見ぬ振りなんて俺は絶対にしたくないな」

「・・・・・それでも・・・今からじゃ・・・・・」

「・・・やれやれ・・・・おいユウキ、俺はコイツ連れてナディアに行って来るから先生達にはうまく誤魔化しておけよ」

「「え!?」」

ユーリとユウキが同時に驚きの声を上げる。

「だから、今からじゃ間に合わないって・・・」、

「間に合うかどうかはキワドイがマグを使えばなんとかなると思う」

「そうか・・・それなら間に合うかもな」

「コウヘイ様・・・・私なんかの為に・・・・」

「気にするなって。ユウキ、後のことは頼んだぜ。ユーリと同じ部屋のヤツにも伝えておいてくれ」

「ああ、任せておけ」

ユウキがそう言うと、コウヘイはユーリを連れて竜用の厩舎に向かう。




「飛ばすからな・・・しっかり捕まっていろよ」

「は、はい・・・」

コウヘイとユーリはマグに乗る。

「よし・・・・行くぞ、マグ!!」

コウヘイがそう言うとマグは翼を動かしながら飛び始める。

「マグ、教師に見つからないうちに急いでナディアへ行け!!」

とコウヘイが言うとマグはナディアの方へ向かい始めた。




約1時間後・・・

ナディア城は騒然となっていた。

そこへ・・・

「ユーリ、ナディア城が見えるか?」

「ええ・・・・!!」

マグに乗ったコウヘイとユーリがナディア城の門へ辿りつく。

「ユーリ様!?」

門番の兵士が驚く。

「お母様は!?」

「え?あ、ああ・・・寝室に・・・」

それだけ聞くとユーリは城の中の方へ走っていった。

「・・・・・俺はどうするかな・・・・」

「あの・・・・あなたは?」

門番はコウヘイに尋ねてくる。

「俺はトラキアの王子のコウヘイだ・・・まぁ色々事情があってな・・・」

「は・・・はぁ・・・」

その後、コウヘイはしばらく門番と雑談をしていた。




数時間後・・・

「・・・・・」

城の中からユーリが出てくる。

「お袋さんは?」

コウヘイがそう聞くとユーリは黙って首を振った。

「そうか・・・騒ぎにならないうちに学校へ帰ろう・・・」

「はい・・・」

この1時間後、コウヘイ達は学校に帰り着くのであった。




「ただいま」

「おう・・・・どうだった?」

寮部屋に戻ったコウヘイ。

「ああ・・・俺は城に入ったわけじゃないからわからないが・・・多分・・・・それより、うまく誤魔化せたか?」

「それはバッチリだ。ユーリと同じ部屋の子にもちゃんと言っておいた」

「そうか・・・サンキュー」

「いいってこといいってこと・・・トランプでもするか?」

「いや、気乗りしないから遠慮しておく・・・なんか食い物あるか?」

「こんなこともあろうかと、売店でカツサンド買っておいたぜ」

「悪いな、わざわざ」

「だから気にするなって・・・俺は先に寝るぜ」

「ああ、わかった。俺もこれ食ったら寝る」

ユウキがベッドで寝た後、カツサンドを食べたコウヘイはしばらくぼ~っとしていた。

「・・・・・ユーリ・・・」

と、彼女を心配したような感じで呟いた。




約数週間後・・・

士官学校は夏休みに入っていた。コウヘイはトラキアに帰らず、士官学校に残って夏休みの宿題と学力テストに向けての勉強をしていた。

「ふ~・・・宿題は全部終ったな・・・」

と、鉛筆を机の上に置くコウヘイ。

「さて・・・・今日はどうするかな・・・」

と、呟くコウヘイ。ちなみにユウキはちゃんと実家に帰っているのでいない。

「・・・・・そういえば、そろそろユーリの誕生日だっけ・・・」

あれからユーリはあまり元気がなく、暗くなってしまっていた。

「・・・・ま、少しは元気をつけさせないとな・・・」

そう言うとコウヘイは寮部屋を出た。




1時間後・・・

コウヘイはナディアに辿り着いていた。

「あ、コウヘイ様・・・・ちょうど良いところへ!」

コウヘイの姿を見た門番がそう話しかける。

「え?ちょうど良いって・・・何だ?」

とりあえず、城の中に入るコウヘイ。

で、何故かメイドや兵士とすれ違うと声をかけられる。

「???」

疑問に思いながらもユーリの部屋をノックするコウヘイ。

コンコン

「はい?」

「俺だけど・・・」

「あ、コウヘイ様?どうぞ入って」

部屋の中に入ったコウヘイ。

「・・・・?なんか、やけに嬉しそうだな?」

妙にニコニコしているユーリ。

「え?そうですか?」

「・・・・まぁいいや・・・お袋さんのことで心配したから来てみたけど、元気そうだし」

「え?婚約のことで来たんじゃないんですか?」

・・・・・・・・・・

「はいぃ!?」

唐突に出た婚約と言う言葉に固まってしまうコウヘイ。

「婚約・・・・?俺が・・・?」

「ええ・・・たしか手紙を寮部屋に送りましたけど」

「・・・・手紙・・・・?最近ずっと宿題を片付けていたから全く見てないな・・・・」

「そうなんですか・・・」

「で・・・・俺は誰と婚約する事になってるんだ?」

「え・・・私ですけど?」

「・・・・・・・・・・通りでメイドとかに声をかけられるわけだ・・・」

「コウヘイ様・・・・もしかして、私じゃ嫌なんですか?」

「え?いや・・・・それは・・・・その・・・」

と、言葉に詰ってしまうコウヘイ。

「・・・・・やっぱり、私じゃ駄目なんですね」

「・・・・・いや・・・そんなことはない・・・」

「え・・・?」

「俺は・・・・お前が好きだ、ユーリ」

そう言ってユーリを抱きしめるコウヘイ。

「コウヘイ・・・」

この日、コウヘイとユーリは正式に婚約した。




後書き

作者:ふ~・・・

コウヘイ:・・・・何のんびりしてるんだ、お前は?

作者:いや・・・つくづく恋愛場面は難しいなと・・・

ユーリ:それは貴方が悪いんでしょう!

作者:悪かったな・・・・

コウヘイ:今回は婚約したところで終りか・・・

作者:長くなったからな・・・

ユーリ:結局今回は最後以外は様付けだったわね・・・

作者:次回からは完全に呼び捨てで敬語も使わなくなってるから問題ない。

コウヘイ:次回はどうするんだ?

作者:次回は・・・繋ぎの話で本筋は進まないけどゲストが多数出演する予定。

ユーリ:誰が出るの?

作者:え~と・・・テンルウ・マルス・キラ・カンピナス・ショウ・モニカが決定していてシオン・キイナが登場するかも。

コウヘイ:ほとんどオールスターになってるじゃないか・・・出しまくれば良いと言うものでもないだろうに。

作者:それを言うな・・・・