ユグドラシル聖戦記外伝

「コウヘイの居場所がわかっただと?」

「はっ・・・それらしき人物がアリストにいたとの情報が・・・・」

「では、例の計画を実行するべきだな・・・」

「はっ・・・すぐにアリストに向かわせます・・・」



3.終わりと始まり



アリストの酒場・・・

「で、何か・・・いい儲け話はないか?」

酒場のマスターに尋ねるコウヘイ。

「う~ん・・・・今のところはあの張り紙の賞金首を捕らえることぐらいだな・・・」

「そうか・・・」

コウヘイが傭兵を始めてすでに一年が経っていた。シヴァと言う偽名を使っていた為、トラキアの王子と言う事がばれる事はなかった。

「・・・・・・」

賞金首の張り紙を見るコウヘイ。そこで彼はどこかで見た事があるような顔の男を見つける。

「・・・・・・こいつは・・・・・?誰だっけ・・・・・・?」

彼のとてもいいとは言えない記憶力では中々思い出せなかったがどこかで見た事があるということはわかっていた。

「・・・・・ワイアット・・・・・・・!?」

その名前を見た瞬間、彼の脳裏に一年前の出来事が過る。

彼と妹のミホの喧嘩を利用し、コウヘイを勘当させようとしたあの男の名前である。

(・・・・・最近、誰かに監視されているような気がしていたが・・・そう言う事か・・・・)

「・・・・・?誰だ?」

コウヘイは自分の後ろの方から妙な視線を感じていた。

「・・・・・・・!?ユーリ・・・・・?」

彼の後ろにいたのは彼が良く知っている許婚のユーリであった。



コウヘイがユーリにぬいぐるみを送ってからすでに一年が経過しようとしていたがこの一年、コウヘイはユーリに逢いにナディアへ行ったりはしなかった。行こうとしたことは何度もあるのだがその度に勘当されている自分がナディアに行くと迷惑になると思い、ナディアを避けて旅をしていたのであった。



「・・・・・・なんでお前がここにいるんだ?」

動揺を隠さずにコウヘイがユーリに尋ねる。

「・・・・・・私も抜け出してきたの・・・・」

「・・・・・・・それじゃあ、なんで俺がここにいるってわかったんだよ・・・?」

「あなたがここにいるっていう噂を聞いて・・・」

「・・・・・とりあえず、ここで話すのも何だから外へ出よう」

「ええ・・・・」

酒場から出ようとしているコウヘイについていくユーリの顔には一瞬、邪悪な笑みが浮かんでいた・・・・



外を歩きながら話す二人。

「まぁ、よくここまで夜盗に襲われずに来れたな・・・」

ユーリはプリーストなので、夜盗に襲われたら攻撃手段がないはずだ。

「運が良かったのよ」

「・・・・・」

「どうしたの?黙り込んで・・・・・?」

「いや・・・何でもない・・・・お前、荷物は何を持って来たんだ?」

「え?これと・・・・(以下中略)・・・・よ?」

「・・・・・・バルキリーはどうした?」

ユーリはブラギの直系で現在バルキリーを扱える数少ない人間である。

「・・・・持ってきてないわよ・・・・」

「・・・・・・じゃあ、一年前に届けてもらったぬいぐるみは?」

「え?」

「わすれたのか・・・・・・・?誕生日のプレゼントに送っただろ?」

「え?あ、ああ・・・・あれね・・・・」

「あれに一緒に渡しておいた杖はどうした?」

「・・・ああ、あれは・・・・・」

コウヘイが前を向いた瞬間、ユーリは懐からナイフを取り出す・・・・



アリストの何処かの建物

「・・・そろそろ、ミスティがコウヘイを殺している頃合だな・・・」

「そうか・・・これで忌々しいコウヘイを殺せるな・・・」

男達が部屋の中で呟いている。

「やはり、ユーリがヤツを最も油断させるだろうからな」

「それはこの女の事か?」

急にドアが開いて手首を縛られた女が倒れてくる。その服はさっきユーリが着ていたものと同じである。

「なっ・・・・!?」

「心配するな、まだ生きている」

女の後ろから部屋に入って来たのはコウヘイであった。

「き、貴様は・・・・!?」

「・・・ワイアットに・・・・お前は・・・・ブラックバーンだな・・・賞金首の」

「こ、コウヘイ・・・・・・・」

「人違いだ・・・今の俺はコウヘイじゃなくてシヴァだ・・・」

「く・・・・」

「だが・・・・こんな偽者でユーリを侮辱した礼は・・・・きっちりさせてもらう!!」



数分後・・・・

「ぐ・・・・」

コウヘイはあっさり、ブラックバーンを倒し、ワイアットを追い詰めていた。

「・・・こ、殺さないのか・・・・?」

「・・・・殺したいのは山々だが、今、金がないからお前を届けた方がいいんでね・・・」

だが、コウヘイの表情は本当に鬼気迫るような感じでヘタなことを言うと今にも殺しそうだった。

「ヒッ・・・・」

「・・・・・大体・・・本物のユーリはもっと綺麗だぞ・・・こんな偽者で騙そうとしやがって・・・」

と、ブツブツと偽者に対しての愚痴を言いまくるのであった。



ワイアットとブラックバーン(ついでにミスティ)を当局に渡したコウヘイは夜空を見上げていた・・・・

「・・・・・やっぱり、今更逢いには行けないよな・・・」

そう言いながらマグを連れて歩いていくのであった。



それから更に一年後・・・コウヘイはグランビアに来ていた。

理由は・・・ユグドラシルとアリストの戦争である。

「・・・・・・」

アリストが急にユグドラシルに戦争を仕掛けたのには府に落ちなかったが、とりあえず、彼はしばらくグランビアに留まる決意をしていた。だが、やはりナディアには立ち寄っていなかった。

「しかし、もう凱旋に行ってしまったのなら、もう少し早く来るべきだったな・・・」

そう呟きながら、とりあえず彼は情報を集めようと酒場へ向かっていた。

そこへ・・・

馬に乗った女性が急にコウヘイの前を横切ろうとした。

「うわっ!」

「すみません、急いでますから!!」

「あ、ああ・・・・」

女性はそう言うとすぐに去って行った。

「・・・・気のせいか・・・あの女・・・何処かで見たことがあるような・・・・?」

が、彼の記憶力では思い出せるわけもないのであった。



約数時間後・・・

噂話をあらかた聞いたコウヘイは酒場の外へ出てきていた。

そこへ・・・

「くっ・・・・・・・」

コウヘイはよろよろと歩いてくる傷だらけの兵士を発見した。

「・・・・おい!!大丈夫か!?」

そして、その兵士の恰好は記憶力の悪いコウヘイでもよく知っているナディアの見習い剣士のものであった。

「・・・・グランビアの城へ・・・行かなければ・・・早く・・・」

「おい!!ナディアで何があったんだ!?」

「・・・・ローバー王国の・・・ディアマンテが・・・ユーリ様を・・・攫って・・・」

「・・・・・!!」

コウヘイはローバー王国のディアマンテ王子がユーリに再三求婚しているのは知っていたが彼がユーリを攫いに来るとは全く考えていなかった。

「・・・・・こんなとき、コウヘイ様がいれば・・・・」

「・・・・・・」

そう言われ、彼はかなり動揺していた。

「・・・・マグ!!彼を城まで連れていくぞ!」

コウヘイはこの見習い剣士をマグに乗せ、グランビアの城へ向かうのであった。



グランビア城の城門

「ここまで来れば大丈夫だろう・・・」

「・・・あ、ありがとうございます・・・あなたは・・・?」

「俺は・・・・・」

「・・・・・?」

「俺の名前は・・・・・・・・・コウヘイだ・・・・」

「!!あ、あなたが・・・お願いします、ユーリ様を・・・・」

「わかった・・・俺に任せておけ・・・」

そう言うとコウヘイはすぐにマグに乗ってナディアの方へ去って行った。



ナディア城の上空・・・

コウヘイはマグに乗って落ちていくナディア城を見ていた。

「・・・・・・」

彼はユーリを攫ったディアマンテに対して怒りを感じていたが、それ以上に自分自身に怒りを感じていた。

「俺が・・・・ナディアにいれば・・・あいつに逢えば・・こんなことにはならなかった・・・ならなかったんだ・・・・!!」

そして、彼はこの二年間何度もしようと思ったがどうしてもできなかった決意をする。

「ユーリ・・・・・・」

恋人の名前を呟くコウヘイ。

「ユーリ・・・待ってろ・・・俺が必ずお前を助けに行ってやるからな・・・・」

そして彼は落ちていくナディア城を背にディアマンテがいるリベロ城へ向かうのであった・・・・

まだ、運命の歯車に巻き込まれたことも知らずに・・・・





異端者航平(以下異端者) 第三章終了~

コウヘイ 結局11月中に完成させやがった・・・

異端者 何だよ・・・文句があるのか?

コウヘイ いや・・・別に

異端者 大体、俺はまだ書く事になってるんだぞ?

コウヘイ ・・・・ああ、本編10章で本編の作者が言ってたアレか・・・

異端者 そう・・・それも11月中に・・・テストが始まる前に完成させなきゃな・・・・

コウヘイ ・・・・・まぁ、頑張ってくれ・・・・(汗)