ユグドラシル聖戦記外伝

かなり唐突な気がするが、トラキア城。

ここでは今日、ドラゴンナイツの新団長の任命式が行われていた。

「・・・・・あ~、色々と小難しい事を言わなきゃいけないらしいのだが、作者が思いつかないので中略・・・ファング=ビシアスをドラゴンナイツの団長に任命する」

と、ファングに向かって言うユウキ。

「はっ、有難き幸せ・・・・」

と、ユウキに言うファング。

「これからも、トラキアのために戦ってくれ」

「はっ!」





ユウキ外伝10章「LOSTWEAPONS」





その夜、ファングの家・・・

ここでは、ファングのドラゴンナイツ騎士団長就任を祝って、ユウキやアリシア、それにメルセデスからわざわざ来たグレイスがささやかなパーティーを開いていた。

「それじゃ、ファングのドラゴンナイツ団長就任を祝って乾杯!」

と、言うアリシアの言葉にグラスを当てる4人・・・・ちなみにユウキは下戸なので彼のグラスに入ってるのはただの水である。

「それにしても、18歳でドラゴンナイツ団長任命はさすがに凄いんじゃないか?」

と、ファングに言うグレイス。

「まぁ、世の中には16歳で王様やってた奴もいるからな」

「・・・・まぁ、それはそうだが・・・」

「ユウキ様ももう即位したらどうですか?」

そのアリシアの言葉に

「遠慮しとく。即位してしまったら今ほど自由に行動できなくなるだろう?このご時世の間は王になるつもりはない」

と、答えるユウキ。

「・・・・なるほど・・・・でも、本当はデスクワークしたくないだけでしょう?」

「うっ・・・・」

「図星ですね・・・」

「まぁ、ユウキ様だからな」

「うむ」

と、皆に言われるユウキ。

「ほっといてくれ・・・」

と、溜息を付きながらユウキは呟くのであった・・・・





アリスト・ウインダム・・・・

現在、ここは本来この地を治めていたセフィーロの者ではなく、かつてマイラに反抗して殺されたトンベリの弟であるエデンになっている。

日に日に増して行く義勇軍の活動には彼もいつアリストでも出てくるか、頭を悩ましていた。

そんな折、彼はマイラからトラキア王国を攻めるよう命令を受けた。

トラキア王国はセンティア王国と並んで数少ないユグドラシル帝国に反抗する国、しかも、王子である「紅蓮の竜騎士」ユウキはマイラも一目置くほどの実力の持ち主で彼らに反抗する義勇軍の大半と繋がっている。トラキアを叩けば義勇軍の活動も抑えられるだろう。

そんなわけで、エデンは軍を集め、トラキアの攻める準備をしていた。

しかし、今のトラキアにはマセラティ大陸でも有数の実力を誇るドラゴンナイツとすでにユグドラシル帝国に征服されたレンスター王国が誇るランスリッターがいる。

まともに戦えば間違いなく不利である。

そこで、エデンはある策に出る事にした。

「これさえ成功すればトラキアなど・・・・」

玉座でエデンはそう笑みを浮かべながら呟いた。





数週間後、トラキア城・・・

最近、トラキアでは例によって問題が起きていた。

「・・・・また、支給された武器が不良品か・・・・」

と、呟くファング。

「ええ、全然使い物になりませんよ・・・これじゃあトラキアを守るなんて無理ですよ」

と、団員の一人が言う。

「・・・確かに原因を調べる必要があるな」

ファングはそう呟き、

「俺はそれについて調べてみる」

と部下に言って、ドラゴンナイツの詰め所を出て行った。





「と、いうわけなんだが、アリシア」

「そうなの?ランスリッターは全然武器は大丈夫ですけど・・・」

「・・・・・ますます怪しいな・・・」

と、自宅で話し合うファングとアリシア。

「ユウキ様は城にいなかったから、きっとまた闘技場で7人抜きをやっているんだろうな・・・」

と、呟くファング。



その頃、トラキアの闘技場。

「よし、後4人勝ち抜けば今日も7人抜きだな」

やっぱりユウキは闘技場で7人抜きをしようとしていた(爆)。



場面は戻ってファングの自宅・・・

「じゃあ、私達だけで調べます?」

「それしかあるまい。とりあえず、武器屋を片っ端から当たるぞ」

「はい、ファング」





その頃、ユウキは・・・

「いや~、やっぱり、1日1回は7人抜きしないと気がすまないよな~」

などと呟き、

「いい加減止めてくださいよ・・・うちの売上が・・・・」

と、闘技場のオーナーを泣かせていた。

「さて、小遣いも稼いだ事だし、城に帰るか・・・」

「ああ、ユウキ様、ちょっと耳に入れときたい事があるんですけど」

と、オーナーに呼び止められるユウキ。

「何だ?」

「実はですね、ここ最近こっちの日雇いの闘士に回されてくる武器が軍用の物を横流しされるんですよ」

「ほう・・・・」

「この物騒な時に軍備縮小なんてやってるんですか?」

「いや、そういう話は聞いてもないし、してもないな」

「それじゃあ、何処から横流しされたか調べときますよ」

「ああ、頼む」

そう言うとユウキは闘技場を出た。

「・・・ここ最近のドラゴンナイツの武器がロクなものがないのと・・・おそらく何か関連があるんだろうな・・・」

ユウキは帰りながらそう呟いていた。





で、ファングとアリシアの方は・・・・

家から出たところを急に城からの使いに止められていた。

「どういう事だ?」

「じ、自分にもわかりません。ただ、ファング様とアリシア殿を城に呼ぶようにと、ゴローディル様が・・・」

「・・・・わかった、すぐに城に行く」





城に着いたラフィンとアリシア。そこにはゴローディル大臣が待っていた。

「我々に用事とはなんですか?」

と、ファングが大臣に言う。

「うむ。実はな、ここ最近の事件の事だが・・・」

と、喋り始める大臣。ここ最近の事件と言えば、アレしかない。

「何かわかったんですか?」

「・・・・・とある武器屋からの証言だがな、ランスリッターの総隊長殿が手引きしてドラゴンナイツの武器を欠陥品ばかり売るよう金を握らせたという事なのだがどういうことかね?」

「「!?」」

と、驚くファングとアリシア。当然、現在のランスリッターの総隊長はアリシアという事になっている。

「私は、そんな事していません!!」

「証拠として、一応、こういうのも預かっているのだがな」

大臣はそう言うと書類を取り出す。その書類にはアリシアのサインが書かれていた。

「これでもまだ違うと言うのか?」

「確かに私のサインですけど、そんな書類、書いた覚えはありません!!」

「ゴローディル様、それは何かの間違いではないのですか!?」

と、ファングもアリシアを弁護するように大臣にそう言う。

「黙れ、ファング!そういう事に私情を挟み込むな!それに、貴様のドラゴンナイツにとっても重要な事だろう!」

「くっ・・・・」

「もし、意固地になってまだ認めないのなら、ランスリッターの者たちがどうなるか、わかっているのだろうな?」

「・・・・・」

大臣の半ば脅迫とも言える言葉に黙り込むアリシア。

「・・・・・わかりました。ランスリッターの者たちに手を出さないと言うのなら、認めます・・・」

「アリシア!?」

「ふんっ、やっと認めたか・・・この女を牢屋に入れろ!!」

大臣の言葉に、衛兵達が複雑そうにファングを見ながら、アリシアを牢屋へ連れて行く。

「・・・・ファング、私は大丈夫ですから・・・」

アリシアはそうファングに言って牢屋に連れて行かれた。

「貴様もさっさと諦めるんだな」

大臣もそう言うとそこから立ち去った。

そして、取り残されたファングは呆然と立ち尽くすのであった。





「アリシアが捕まった?」

ユウキはその事を城に帰ってきた後、クスハから聞いていた。

「大臣の命令らしいんだけど・・・」

「・・・・・ファングはどうしてる?」

「いつもが嘘みたいに意気消沈してましたけど」

「・・・・・・」





ランスリッターの仮詰め所・・・

「お嬢様が捕まったって本当か!?」

と、ランスリッターの一人が仲間に尋ねる。

「ああ、ドラゴンナイツの武器を不良品ばかりにするように言った事で捕まっちまったらしい」

「ふざけんなよ!アリシアお嬢様がそんな事するわけねぇだろ!!」

「くそっ、ドラゴンナイツに喧嘩売るわけにはいかんしな・・・第一、あそこの団長はお嬢様の婚約者だ」

「けど、このままじゃお嬢様は・・・」

「・・・・・団長のたった一人の妹だからな。どうにか無実を証明できないのか?」

と、言ってるところへ、

「お前等、アリシアの無実を証明したいか?」

と、唐突に詰め所の入り口から声がする。

「・・・・!!あ、あなたは!!」

声の主に驚くランスリッターの面々・・・





「なるほどな・・・・」

ユウキは闘技場のオーナーから届けられた横流しされた武器のリストを見ていた。

「・・・・横流ししたのは・・・・この武器屋か・・・・」

ユウキはそう呟くと、

「ファングを呼べ!今すぐだ!」

と、衛兵に言った。





トラキア、某所の武器屋。

この武器屋はトラキア軍お抱えの武器屋であった。

「へへ・・・これでトラキアとランスリッターの間はガタガタだな・・・」

と言いながら、金勘定をしている武器屋の主人。

そこへ・・・

「おい、主人はいるか?」

と、カウンターから呼ばれる主人。

「あ、はい、只今―」

と、カウンターへ来たところで、

「!?」

と、剣を突きつけられる主人。

「・・・おい、客だぞ、挨拶はどうした?」

と、かなり無茶な要求をする14歳ほどの少年。

「い、いらっ・・しゃい・・・ませ・・・」

辛うじてそう言う主人。

「なぁ、おっさん。闘技場に軍用の武器を横流ししたって話聞いたんだが、本当か・・・?」

「な、何の・・・ことだ!?わ、わしはし、知らん!」

「そう言うと思ったぜ・・・お前たち!!」

と、少年が入り口の方に向かって呼びかけると、ランスリッターの面々が中に入ってくる。

「とりあえず、奥に入って何か、アリシアの筆跡があるものを探せ」

「はっ!」

と、少年の命令に答えて奥に入るランスリッターの方々。

そして、数十分後・・・

「ありました!お嬢様の書いたものが!!」

と、ランスリッターの一人が報告する。

「武器とかには全く関係ないんだな?」

「はい、この前あったパーティーの出席を書いたものです」

「ふーん・・・やっぱお前がこれのアリシアの筆跡を真似てアイツをハメやがったんだな・・・」

「くっ・・・・お、お前等、こんな事やってただで済むと思うなよ!!わしには、ゴローディル大臣がついているんだぞ!?それに、もうすぐユグドラシル帝国が攻めてくるんだ!!」

と、言う主人。

「へぇ・・・面白い事聞いたな、どうするユウキ?こんなとこでいいのか?」

と、少年が入り口の方に言う。

それを聞いて、

「ああ、上出来だろう、カーディフ」

と、ユウキとファングが店の中に入って来る。

「ゆ、ユウキ様・・・っ!?そ、それにファング・・・」

「今の会話、全部聞かせてもらった。さっさとついてきて貰おうか」

「くっ・・・・」

と、ファングに両手を縄で縛られる主人。

「・・・さて、後始末が残ってるな・・・」

「大臣・・・ですね」

「ああ」





トラキア城・・・

「アリシアを牢から出しただと!?一体何をやっている!!」

「し、しかし、ユウキ様の命令で・・・」

と、怒鳴ってる大臣。

「えぇい、ユウキ様がどうした!証拠はちゃんと・・・」

「その証拠が崩れたから牢から出したんだよ、ゴローディル」

と、ユウキが現れる。

「ゆ、ユウキ様・・・一体・・・」

「アリシアが頼んだという武器屋は捕まえた。そいつ、面白い事を聞かせてくれたんだがな」

「うっ・・・・」

「数年前から気になってたが、内通者がお前だったとはな。結構予想外だった・・・まぁ、今回の計画はかなりズサンだった気もするんだが」

それを言うな、それをby作者

「素直に反抗せずに牢に入ってくれると嬉しいんだがな?まぁ、ランスリッターの連中の中に放り込まれたいなら話は別だが・・・彼らは今気が立ってるから、お前が放り込まれたらどうなるか・・・わかってるな?」

「・・・・・・」

と、おとなしく捕まるような素振りを見せる大臣。

が、

「こうなれば・・・ユウキだけでも!!」

と、短刀を手にユウキに襲い掛かる大臣。

そこへ、

「ユウキ様!」

と、ファングが入って来て大臣をグラディウスで斬りつける。

「ぐあっ!!」

と、血を流して倒れる大臣。そのまま二度と動く事はなかった。

「さて・・・・と、ファング、出陣の準備をしろ。ついでに他の武器屋からちゃんとした武器を集めとけ」

「はっ!」

そう言って部屋を出るファング。

「・・・・で、お前はどうする?カーディフ」

ファングが出て行った後に部屋を出たユウキはカーディフに尋ねる。

「そうだな・・・せっかくだから付き合ってやるよ。俺がいたら千人力だろ?」

「しばらく見ないうちに性格変わったな・・・お前。そんなデカイ事言うヤツじゃないと思ったんだが」

「・・・・悪かったな・・・それに、デカイ事言えないヤツがデカイ事した試しはないぜ」

「・・・・ま、それもそうだな」

と、納得するユウキであった。





・・・・数週間後、トラキアとユグドラシルの間で戦争が起きる事になる。

が、その戦いはトラキアの大勝に終わるのであった・・・







後書き

作者:ユウキ外伝10章完成~

ユウキ:おい、俺の出番、何気に少ない気がするぞ。展開も無茶苦茶な気もするし・・・

作者:・・・・・悪かったな・・・

ユウキ:しかも、書くのに時間かけやがって・・・これ書くまでに某ASを書きまくったくせに・・・

作者:いや、はっはっは・・・

ユウキ:笑って誤魔化すな・・・アレとこっちのどっちが大切なんだよ?

作者:・・・・・・・・・AS・・・・・・かな・・・・

ユウキ:・・・いや、そりゃあ、あっちは自分のオリジナルだから正しいと言えば正しいかもしれないけど、これ読んだら本編の作者は怒るか呆れるかするんじゃないだろうか・・・・

作者:・・・・・・・ま、向こうもよろしく

ユウキ:・・・・現実逃避か・・・・