SURVIVAL GAME

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2
恐ろしいくらいの数の武器が並べられていた。

「すごい…………」

思わず感嘆の言葉が出る詩音。

詩音は今まで14年間この学園で学校生活を過ごしてきたがこんな部屋を見るのは初めてである。

嵩哉達も思わず声が出る。

「防弾チョッキまである………」

「制服の中に着込んでいた方が良いね」

航平が防弾チョッキを取り出し、ブラウスを脱いで着こんだ。

季伊奈も航平にサイズのあるチョッキを取ってもらった。

あゆむは立てかけられているマシンガンを取り出す。

「すごい………本物なんてはじめて触るよ……」

翼もショットガンを持っている。

「ウエスタンカスタムかな?この形は………」

翼の持っているショットガンはトリガーのところに特徴がある。

翼の言うとおりウエスタンカスタムだった。

その時詩音は、武器庫の奥であるものを読んでいた。

それに気付いた嵩哉が詩音の背後に近づく。

「どうした?詩音………」

「これ…………学園長の手紙だ………」

「何……?!」

手紙の内容はこうだった。




今、この武器庫でこの手紙を呼んでいる者へ……

君達がこの手紙を読んでいると言う事は恐らくこの学園に異変が起こったときであろう。

きっとその異変は…………

レジスタンスの仕業であろう。

レジスタンス「ミクロマネーシア」はこの日本に革命を起こすために作られた反日本政府の組織である。

「ミクロマネーシア」の目的は「日本をロボット兵器大国にし、世界を制する力を手に入れること」である。

この学園はそのレジスタンスの目的を阻止するために作られた日本政府の軍事施設。

君達に今まで授業として教えてきたことはすべてこのレジスタンス対策の内容である。

どうか、ここにある全ての武器でレジスタンスを壊滅して欲しい。

幸運を祈る………




「な………」

嵩哉は言葉を失う。

「俺達は第二次世界大戦の兵士かよ………」

「でも………仕方ないかもね………ここまで関わったんなら私はやるわ」

「詩音、本気かよ?」

「まぁね………それに面白そうじゃない。ロボット兵器だって………そう言うのをクラッシュすればいいんでしょ?それなら私の出番ね。クラッシュ・ハッキングは私の得意分野よ」

「流石、学園一コンピューターに強い女…………」

嵩哉は呆れながら頭を掻いた。

しかし、嵩哉とて引き下がるような男ではない。

自分を守ってくれたクラスメイトのためにも、引き下がるわけには行かなかった。

「いいぜ、俺も付き合うよ。クラスメイトの仇も取りたいしな」

その二人の会話を密かに聞いていた季伊奈達。

「俺も一緒に行く!!」

「私も!!」

「あの……役に立たないかもしれませんけど、私もいきますぅ……」

「俺もやるぜ!!」

この場にいる全員が口をそろえてそう言った。

「皆………とりあえずこの武器全てを………何処に持っていこうかしら?」

「4階のコンピューター室でいいんじゃないのか?」

「でもわざわざエレベーターで上り下りしなくちゃならないわよ?」

「ここに一体何人いると思ってるんだ?それにコンピューター室なら安全だろ?」

嵩哉の言葉に詩音はしばし考えこむ。

「そうね……………コンピューター室のドアを開けっ放しにして、武器を運べば良いわね。エレベーターは私のIDで動かせば良いわけだし」

「まずは仕事分担だな。詩音は四階で敵の本拠地を捜す。俺達男性陣はドアが閉まるといけないから、全員でエレベーターまで武器の運搬。季伊奈はエレベーターを動かす。葵ときららは四階エレベーターのところで待機。荷物が着たらコンピューター室まで運搬っていうのはどうだ?」

嵩哉がそう提案する。

「詩音だけ楽じゃないか?」

「じゃあ、お前、敵本拠地を調べたりできるのかよ?」

双雅は文句を言ったが嵩哉に突っ込まれそれ以上何も言わなくなった。

「そうだろ?インターネットで調べるわけじゃないんだからな……」

「………………」

「何で調べるんですか?」

「この学校の機密内容にアクセスして調べるのよ。けど重要機密内容もあるからかなりガードが固くしてあるのよ。けど実は私、何かあった時の為にパスワードとか全部先生から聞いているのよ」

「……………そこまで信頼されてるのか………」

「まぁね〜★」

詩音は自慢気に胸を張った。

そして、嵩哉提案の「武器移動作戦」が実行された。




作戦(?)は着々と進み、ハンドガンの弾やらショットガンの弾やらグレネード、マシンガン、あげくにダイナマイトまである始末。

それと次に次に運び、二時間かけてやっと全ての武器をコンピューター室に運びこんだ。

詩音はその間、ずっとコンピューターとにらめっこをしている。

しかし手は休むことなく動く。

そして………

見つけたのである。

「あった!!!」

詩音が思わず叫ぶ。

全員がパソコンのディスプレイに釘つけになる。

「ここね………えっと場所は…………あれ?!」

ちなみにここは北海道の山中である。

「近い………」

「近いって何処?!」

「この学園のすぐ隣………」


「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


「と言っても、20キロ先よ。この学園は日本政府が作り出したところだから土地も馬鹿でかいのよ。この山一つが学園名義の土地だから……」

「この山全部学園のなの?!!」

ちなみにここは北海道の山奥。冬には雪が降り一面白銀世界になる。

「だから全寮制なんだ…………」

「流石にここまで家から登校しろって言う方が無謀だよね……」

「私は車があるから関係ないけどね」

「いいなぁ……詩音さん」

「今度何処かにドライブに連れてってあげるわよ?」

「本当ですか?!絶対いきます!!」

「それにしても今までよく襲われずにすんだよな……」

「きっと今日まで気付かれてなかったのよ。この学園の存在理由が……」

「日本政府もバカじゃないもの……」

詩音はそう言って、画面を切り替えた。

そこには………

「あ………」

「どうしたんですか?」

「これ……レジスタンスの幹部資料だ………」


「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


二度目の「なにぃ!!」の台詞である。

「幹部の何が書いてあるんですか?!」

「プロフィールみたいね………えっと…………幹部の名前が不規則に並んでるわね……最初が…………ザックス………tak………如香………朱紅………」

「朱紅だって?!!」

あゆむが叫んだ。

「知り合いか?」

「詩音、コイツのプロフィール出してくれないか?」

「わかったわ」

詩音はあゆむに頼まれ、朱紅のプロフィールを画面に立ち上げた。

あゆむは朱紅のプロフィールをじっと見る。

「………間違いない………あいつだ………」

「あゆむ?」

「こいつ………俺の親友なんだ」

あゆむの言葉に皆がどよつく。

「小学部卒業したあとこの学校から普通の中学にいっちゃったんだけど……まさかレジスタンスに入っていたなんて…………」

「ひょっとしたら………洗脳されてるかもね………」

季伊奈が真剣な顔をしてそう言った。

「こう言うのにありがちじゃない?洗脳されて操られているって言うの……」

「だからってなぁ……季伊奈……状況考えて言えよ……あゆむのヤツ落ちこんじゃったじゃないか」

「あ………ごめん………」

季伊奈は言いすぎたことがわかったのかしゅんとしながらあゆむに謝った。

「いや、良い。気にしないでくれ」

「あと…………スーザンっていう人がいるみたいね。幹部の資料はこれで終わりみたい。で、とりあえず、作戦でも練りましょうか。相手が何をしているのかはこれではわからないから直接見てみないと……」

「乗りこむ必要があるわけだ」

航平の言葉に詩音は頷く。

「そう言う事ね。とりあえず………二人一組で行動するって言うのはどう?その方が敵をひきつけやすいし………ちょうどね、さっきここで通信機見つけたのよ」

詩音は立ちあがり、コンピューター室の奥から10個のイヤホンマイク式の通信機を持ってきた。

「小型で持ちやすいでしょ?これで互いに連絡を取り合いましょう」

「じゃあ……誰がペアになるかだよな…………」

「私、航平と組むわ」

季伊奈が航平の顔を見て言った。

航平もそれに頷く。

「私は…………双雅くんと組みます〜」

葵がそう言った。

「じゃあ僕とあゆむが組むよ」

「私は翔と組むわ」

「ということは……………」

詩音と嵩哉は顔を見合わせる。

「俺は詩音とだな」

「そうね………」




レジスタンス「ミクロマネーシア」


ザックスは着々と計画を進めてきた。

もうすでに50体以上のロボットが完成している。

もちろん戦闘用である。

そこへ、如香がやってきた。

「ザックス、若葉城聖の方の計画は終了したわ。もう誰一人生き残っていないでしょうね」

「そうか。これで心置きなく計画が薦められる。邪魔されることもないわけだ……」

ザックスは不適な笑みを浮かべる。

そこへtakもやってきたのである。

「しかし、あそこまでやる必要なかったんじゃないのか?」

「tak……だからお前は甘いって言うんだよ。邪魔な芽は早いうちに摘むって言うのは常識だぜ?」

「だからと言って何も知らない小さな子供まで殺すことなんてなかったはずだ!!」

takが力一杯にそう言った。

そこへスーザンも来たのである。

「tak、お前の気持ちはわかる。だがこれも新たなる日本のため………革命のためなんだ!!」

「……………」

納得がいかないのか、takは気に入らなさそうな顔をしてその場を立ち去る。

「takはこのレジスタンスにいるには優しすぎるわね………」

「そこがアイツの良いところなんじゃないのか?」

「だけど、敵は同情なんてしてくれないわ」




詩音の運転する車で一同はレジスタンス本部へ向かっている。

流石のランドクルーザーでも7人乗るのが精一杯である。

そこで、初めに航平・季伊奈・葵・双雅・きらら・翔が先に敵本拠地近くで待機することになった。

武器はテンルウ達と一緒に乗せる手はずになっている。

詩音は約一往復半分運転をした。

「流石に一往復半は辛いわね………20キロだもんね………」

「大丈夫か?詩音」

「ちょっと疲れるけどね。仕方ないじゃない?でも結局三往復する計算になるのか……」

「栄養ドリンクでも飲む?」

「私、そう言うの嫌いなのよ。年寄臭いし………」

「十分年増じゃねえか………」

嵩哉はぼそっとそう言った。

だが、嵩哉は助手席に乗っているため詩音に丸聞こえである。

「あんただけここから敵の本拠地まで歩いていく?」

その声は妙に優しい声だった。

しかもここから敵の本拠地まで約15キロある。

「…………なんでもないです………」

「わかれば良いのよ★」




レジスタンス「ミクロマネーシア」本部近く


先についていた六人は敵本拠地の外の様子を監視していた。

そこへ、詩音達が武器を持ってやってきたのである。

「詩音さん、お疲れ様ですぅ」

葵が小さな声で詩音に言った。

「どう?敵の様子は?」

「見張りが一人もいない状態が続いています。無防備ですね。よほど警戒していないと思います」

「まず、武器の配分をしましょう」

持ってきているのはマグナム一丁・ハンドガン三丁・ショットガン二丁・グレネードが二丁・マシンガンが二丁である。あと全員分のサバイバルナイフである。

それにダイナマイトが30個と弾がごっちゃりある。

「好きなものを持っていって」

「詩音さんはやっぱりマグナムでしょう」

「なんで?」

「私はマシンガンにしようっと」

「じゃあ俺、グレネード」

などとどんどん武器を取っていく10人。

結局マグナムが詩音、ハンドガンがきらら・航平・双雅、ショットガンが翼・季伊奈、グレネードがあゆむ・翔、マシンガンが嵩哉・葵となった。

「じゃあ、私はマグナムの弾全部持っていくわ」

詩音はそう言ってサイドパックを腰につけて弾を400発持っていった。

「えっと……15発入りのマガジンが………300あるんだから一人100ずつだな」

きらら達はハンドガンのマガジンを三等分する。

「ショットガンの弾が………強力なヤツが100………普通のが200だから……50と100だね」

「硫酸弾が60………冷凍弾が30……炸裂弾が90………火炎弾が30発だから……30・15・45・15だね」

「マシンガンの弾の束は6つあるから3つずつな」

「はい」

ダイナマイトは一人三個ずつわけたのである。

「じゃあ……作戦通りに………」

「はい!!」

全員が準備を整え、通信機を身につけ敵の本拠地に乗り込む。




詩音はまず先に一発余分に持ってきたダイナマイトを取り出した。

安全ピンを歯で挟み、ダイナマイトを引いて安全ピンを抜く。

そしてそれを思いっきり奥へと投げこんだ。


ドオォォォン


爆風と共にサイレンが鳴り出した。

「何事だ!!」

「ザックス様、侵入者です!!!」

「何?!敵の数は!?」

「10人のようです!!」

「如香!!あの学園の人間は全員始末しろと言ったはずだ!!」

ザックスは怒りを露わにする。

そして如香を殴った。

「も………申し訳ありません……!!まさか……まだ生き残りがいたとは思わず……」

「ちゃんと確認しないからそうなるんですよ………」

朱紅が薄い笑みを浮かべながら如香のところへ歩いてくる。

「朱紅………!!!貴様にそんなことを言われる筋合いなどないわ!!」

しかし朱紅は如香の言葉を聞く耳持たなかった。

「それより、ザックス様………どうやら向こうには詩音がいるみたいです」

「詩音………?」

「若葉城聖学園きってのコンピューターおたくですよ。あそこの教師はどうやらあるだけのコンピューターの知識を詩音に叩きこんだようです……」

「何?……………まずいな………ここのプログラムなどをクラッシュでもされたら今までの苦労が水の泡だぞ?」

「なら、詩音を徹底的に探し出して貴方様に差し出しましょう」




詩音と嵩哉は気配をなるべく殺した。

そして、敵が近づいた時に銃を撃つという作戦を実行していた。

弾を温存するためである。

「それにしても、これ撃つ時の衝撃、何とかなんないのかな?かなり腕が持ってかれちゃうんだよね」

「それはマグナムの中でも一番威力が高い上に衝撃を別のところに逃がす機能を持っているから女のお前でも使えるだろ?」

「まぁ……一応使えてることは使えてるけど………けどこれ疲れるわ」

「少し体を鍛えろよ。胸ばかりでかくたって男は寄ってこないぞ?」

「悪かったわね!!!」

実際、詩音の胸は大きい。

カップで表現するなら詩音はFカップというところである。

「まぁ……俺は巨乳の方が好きだから良いんだけど…………」

「あんたの好みは聞いてないわよ!!」

詩音はそう言って敵にマグナムを撃つ。

撃ったあと腕が自然に頭の上に上がる。

両手でないと撃てないところが女というところか……?

嵩哉も負けじとマシンガンを放った。

二人は敵がいない事を確認して先へと進んでいった。




あゆむと翼は左回りから中心へと向かっている。

二人の武器はどちらかというと威力が高くて撃つまでの時間がかかるという欠点があるが、交互に攻撃をしているため隙は一つもない。

おまけに広範囲に効く武器なのでまとめて倒すことが多い。

弾の数も温存されている。

「あゆむ、朱紅に逢ったらどうするつもりなの?」

「一発殴る!!!」

「かなり怒ってるでしょ……朱紅のこと……」

「当たり前だ!!」

そう言いながら敵を次々と撃ち殺していく二人だった。




「きゃあ!!」

「季伊奈?!大丈夫か?!」

季伊奈は左腕を銃で撃たれて当たってしまった。

航平はすかさずポケットから大きな布を取り出し、傷より上の部分をぎゅっと縛りつけた。

「ありがとう。航平」

「なぁに………クラスメイトだろ?」

「航平。絶対に生きて帰ろうね」

「ああ、わかってるよ!!」。

季伊奈はショットガンを支える力が左腕に残ってなかった。

「季伊奈、ショットガンをよこせ。俺が使う。お前はこっちのハンドガンを使え。左腕をあまり使わなくても良いだろ?」

そう言ってレボルバー式のハンドガンを季伊奈に渡す。

「航平………ありがとう………」




こちらは右回りで中心を目指しているきららと翔。

「なんかさ……こうして二人で背中合わせて戦うのって………安心するね」

「そう思うか?」

「うん。私、翔の事信じてるからさ」

「俺もきららのこと信じてるぜ!だから油断すんなよ?」

「わかってるよ!!」




葵と双雅は後ろからやってくる敵の一掃に力を入れていた。

「ねえ?これじゃキリがなくない?」

「つべこべ文句を言わないで戦えよ」

「けど、ロボットが来たときどうするの?」

「そのために嵩哉が詩音を保護しつつ中心に向かってプログラムを消去しにいったんだろ?」

「信じても良いんだよね?」

「信じてなかったらこんなとこくんなよ」

「そうだよね…………」




一方朱紅はモニターで詩音を探していた。

朱紅は必死に探していた。

その時、見覚えのある人物を見た。

「…………あゆむ…………」

すると朱紅を激しい頭痛が襲った。

「くっ……………」

痛みに耐えつつ朱紅はモニターを見る。

すると、詩音と嵩哉を見つけたのだった。

そこは丁度罠の張れる場所だったのである。

朱紅はにやりと笑みを浮かべながらボタンを押した……。


詩音は天井からシャッターが下りてくるのに気付いた。

「嵩哉!!急いで!!シャッターが下りるわ!!」

だが、その言葉はすでに遅く、シャッターは二人を隔離してしまった。

「嵩哉!!!」

詩音はシャッターをガンガンと叩きつける。

「嵩哉!!聞こえる?嵩哉!?」

「聞こえてるよ」

「どうしよう………このままじゃ先に進めないわ……」

「待ってろ、今このシャッター何とかしてみせるから……」

その言葉を聞いてホッとした瞬間。

天井からガスが出てきたのだった。

「ごほっ……ごほっ……何これ?…………催眠ガ…………」

言葉を言いきらないまま、詩音は寝てしまった。

「詩音?!どうした?詩音!!」

シャッター越しに聞こえる嵩哉の声は詩音の耳には届かなかった。


詩音側のシャッターが一枚開いた。

そこには朱紅が立っていた。

朱紅は寝ている詩音の身体を抱き上げる。

「詩音!!!」

もう一枚のシャッターからは嵩哉の声が聞こえる。

「嵩哉さんですね。彼女は貰っていきます」

「何?!」

嵩哉の言葉を聞かず、朱紅は詩音を連れて奥へと歩いていった。


嵩哉は業を煮やし、ダイナマイトの安全ピンを抜いた。

そして少し離れてシャッターに向かって投げつけた。

その瞬間、ダイナマイトは爆発した。

シャッターには大きな穴が開いている。

その先には詩音の持っていたマグナムが落ちていただけである。

「くそ………詩音がいなきゃ誰がここのプログラムを壊すんだよ……!!」

そして、通信機を取り出したのだ。

「皆聞こえるか?」

<嵩哉?どうした?>

<嵩哉さん、何かあったんですか?>

「詩音が攫われた」

<え?!それって一大事じゃないですか?!>

<嵩哉、助けにいかないと……!!>

「わかってる。俺は今から詩音を取り戻しにいくから、皆は作戦通りにやってくれ!!」

<了解!!>

<嵩哉、気を付けろよ?!>

そのまま通信を切った嵩哉はそのまままっすぐ走っていった。


あゆむと翼は通信が切られた後も、行動を変えることなく進んでいった。

すると、ロボットの軍団が現れたのである。

「やっと来たぜ、真打ち登場!!」

「まったく……ロボットと戦うのってなんかやだなぁ…」

翼は文句を言いつつ、ショットガンを構える。

「気分はターミネーター2だよ!!!」

「地獄で会おうぜベイビー!!だったっけか?」

「そうそう!!」

そう言いながらロボットに弾を打ち込む二人。

翼なんかは完全にターミネーター2のアーノルド・シュワルツェネッガー風にショットガンを撃っている。

ある意味彼の才能かもしれない……

「俺なんか気分はジルだよ」

「あ〜…バイオハザードね」

「冷凍弾使ってるところからするとな!!」

「詩音はさしずめ3のラストのネメシス戦のとどめ刺すジルって所かな?」

「格好も似てるしな」

そう言いながら次々に来るロボットを破壊していく二人。

「あゆむ。久しぶりじゃないか」

あゆむはその声を聞いて動きが止まった。

「朱紅………!!」

「あゆむ、生きていたとはね………」

朱紅は不適な笑みをあゆむに向けた。だが……

「この馬鹿野郎!!!」

あゆむは朱紅の頬を思い切り殴った。

「カ……あゆむ………」

「お前なぁ………自分の友達が死んで平気なのかよ?!あの時お前と一緒に遊んだ友達全員死んでいったんだぞ?!!それを聞いても平気でいられるのかよ?!!!」

「あゆむ……落ちついて……」

「朱紅………俺はお前を絶対に許さないからな………!!!」

「あゆむ……………ごめん…………俺が………俺が間違っていたよ……」

朱紅はやけに素直をに謝った。

「俺は………城聖学園をやめさせられて……親にやめさせられて………親が憎くて……だから………今の俺に家族はいない……俺が殺したから……でも城聖には帰れない……だからレジスタンスに入ったんだ……」

「朱紅………」

「あゆむ………これからも友達でいてくれるよな?俺にはお前しかいないんだよ………」

「当たり前だよ…………馬鹿朱紅…………」

あゆむは朱紅の手をしっかり握った………


「う………………」

詩音が目を覚ました時、がくんと身体が下がっていった。

「な……何これ?!」

両腕が鎖でつながれ、天井から吊るされている。

しかも何故か肌寒いのである。

「?!!!」

詩音は服を着ていなかった。

おそらく着こんでいた防弾用のスーツを脱がされたのだろう。

それにしても上半身裸で下半身パンティ一枚しかつけていないので、ものすごく肌寒い。おまけにここは北海道。夏でも少し涼しいと言ったところである。

「さ………寒い〜………」

しかも吊るされているせいで腕が痛む。

「寒いし痛いし………最悪〜………」

「目が醒めたか?詩音とやら」

その時目の前に現れたのはザックスだった。

「ちょっと!!人を裸にして吊るすなんて何考えてんのよ、あんた!?ひょっとしてサディスト?!!」

言いたい放題言う詩音。

「ふっ………言いたいことをズバッと言う女だなお前は………そう言うのは嫌いじゃない」

「どうでも良いから降ろしなさいよ!!」

詩音はザックスに向かって怒鳴りつけた。

「それは駄目だ。これからお前には俺のためにきっちり働いてもらう」

「お断りよ!!こんな人殺し軍団なんかの為に誰が働くものですか!!」

「いや、お前は俺のものになるんだ」

「………………………ベー!!!」

詩音は舌を出して思いっきり嫌がった。

「なあに、すぐに協力したくなるようにしてやるさ」

「……………まさか…………」

詩音の嫌な予感は的中した。

鎖から電気が流れ繋がれている詩音に伝わる。

「きゃああああああああああああああああああああああ!!!」

流石の 詩音もこれだけは耐えきれない。

あっという間に気絶してしまった。

くたっとなってしまう詩音。

すると………


バタン!!


嵩哉がその部屋の扉を乱暴に蹴り上げた。

嵩哉の目に移っていたのは吊るされて気絶している詩音と、それを不適に見つめていたザックスだった。

「…………悪いがそいつは俺達の大事なリーダーだ。返してもらうぞ!!」

「俺もこの女の持つ能力が欲しい。悪いが返す訳にはいかないな」

「いいぜ………力ずくでも返してもらう」

そして嵩哉はマグナムを構えた。

狙いは………気絶している詩音を吊るしている鎖!!

「しまった!!」

鎖は断ち切れ、詩音の身体は地に落ちる。

その身体を受けとめた嵩哉。

そして、マシンガンに持ち替え、ザックスに向けて放った。

「ちっ………」

ザックスは舌打ちをしながら部屋を去っていった。

「う……………」

「詩音、気がついたか?」

「…………嵩哉?」

「それにしてもお前………なかなか良い格好してるんじゃねえか」

「え?」

その言葉で自分がパンツ一枚だったことを思い出した。

「何処見てんのよ?!エッチ!!!」

すかさず胸を手で隠す詩音。顔どころか耳まで真っ赤である。

「お前が見せてるんだろ?だいたい、年頃の男にそんな格好見せるなよ。その気になるじゃねえか」

「好きでこんな格好してるわけじゃないもん!!!好きで見せてるわけじゃないもん!!」

胸を隠しながら嵩哉に講義する詩音。

「それにしても………でかいな……」

まじまじと胸の谷間を見る嵩哉。

「シリコンでも入ってんじゃないのか?」


ムニュ


事もあろうに嵩哉は詩音の胸を鷲づかみにした。

詩音はさらに顔を真っ赤にする。

「は……入ってるわけないでしょ?!!!100%天然よ!!」

詩音はあまりにビックリしすぎて平手打ちも出来ない。

「なかなか…………」

「もう!!私の胸のでかい小さいはどうでも良いでしょ?!あんたの物じゃないんだから!!…………それより……寒いから何か着る物が欲しい………」

「俺が身体で暖めてやろうか?」

「そんなこと誰も言ってない!!」

「わかってるって。防弾チョッキ今脱ぐから、それ着てろ」

嵩哉はブラウスの中に着ていた防弾チョッキを脱いで詩音に渡した。

詩音は嵩哉に背を向けて防弾チョッキを着こんだ………だが……

「嵩哉…………」

「なんだよ?」

「ファスナーが閉まらない………」

「お前、デブなんじゃねえの?」

男の感覚として「ファスナーが閉まらない=デブ」として解釈される。

「違う!!胸が苦しくてファスナーが閉まらないの!!」

そう言って詩音は振り向いた。

嵩哉はその様子を見る。

胸が押しつぶされているにも関わらずファスナーはだんだん下へと下がっていく。

「……………じゃあファスナー閉めないで開けていろよ」

「え?!」

ただでさえこの格好でも恥ずかしいと言うのにファスナー全開でいけという嵩哉。

しかし、せっかく嵩哉が自分の装備を外して詩音にくれたのである。

詩音は閉まるところまでファスナーを閉めて胸から上は全開で歩くのだった……

「……ったく………マジでその気になっちゃうじゃねえか………」

そんなことをボソッと呟く嵩哉だった。

けど内心「それもいいかもな………」とも思っていた。




中心入り口に来た航平達は詩音と嵩哉を待っていた。

10分くらい待っただろうか………

詩音と嵩哉が走ってきたのである。

男達は全員詩音の格好に目が行く。

「これはまた…………」

「大人の魅力って言うヤツですか?」

「まさか嵩哉と?」

「それは有り得ないんじゃない?」

「けど見事に何も着てないよ?」

「あんた達、言いたい放題言ってんじゃないわよ!!」

詩音は本気で怒る。

「詩音、ファスナー全開で男を誘惑?」

あゆむは真面目な顔をして詩音に言った。

「あのね〜……あゆむちゃん。私、おこちゃまには興味なくてよ?」

「そうだ…………忘れてた……詩音を助ける前に部屋に入りまくってお前の服見つけてきてたんだっけ………防弾スーツも………」

「え?!」

「ほら」

嵩哉はそう言って詩音に服を見せる。

確かに詩音の服だった。

「お願い返して〜………」

「やだって言ったら?」

「お願いします……返してください………」

詩音は泣きながら嵩哉にそう言った。

<と言う事は……嵩哉…………詩音の裸が見たかったんだ……!!>

<あれだけ大きけりゃ見たくもなるよな……>

<嵩哉さん…………根性最悪………>

<詩音さん可愛そうですぅ……>

<しかも意地悪してる………>

<詩音………覚悟したほうが良いぞ?何言い出すかわかんないからな…?>

「返して欲しい?」

嵩哉が不適な笑みを浮かべて詩音に服を見せつけながら言った。

「お願いです、返してください…………」

切実にお願いする詩音。

「なら今度俺とデートしてもらおうかな?もうすぐ誕生日なんだよね、俺」

「え………?」

「デート。聞こえなかった?」

「デートすれば返してくれるの?」

「ああ」

「する!!デートでもなんでもするから服、返して!!」

「あ、約束すっぽかしたら………無条件で犯すからな………夜通しで……」

嵩哉は詩音を威嚇する。

だがその眼は本気だった。

「……………はい」

詩音はすっかり嵩哉の手の内にはまってしまったのである。