ユグドラシル聖戦記

ユグドラシル
それは大きな神樹であり、こんな伝説がある…

遥か昔…暗黒竜がこの大陸「マセラティ大陸」に帝国を作りこの世に君臨していたころ・・・
苦しい圧制のなかで、12人の戦士たちが暗黒竜を倒そうと試みたが、なかなかかなうことができず、あきらめかけようとした時・・・
天から光と共に神々が姿を見せ、その12人の戦士たちに力を授けた。
その後…暗黒竜は倒れ、大陸に光がさしこみ、12人の戦士たちは新しい国を作り出した。
その暗黒竜の躯を苗床に、木が根をはり、暗黒竜の瘴気を浄化した。
それを人は「神樹・ユグドラシル」と呼んだ。
そののちに戦士たちは12聖戦士と呼ばれ、一部ではその血と武器を受け継ぎ今でもその姿をとどめていた・・・

第1章  光の聖戦士 シオン

神樹・ユグドラシルの名前を取り、「ユグドラシル王国」と呼ばれる国の王都・グランビア。
そこは代々「光の聖戦士・聖者ヘイム」の血を受け継いだ一族が国を治めていた。
そこでは今、こんなことが起こっている。


「父上、では行ってまいります」
「決してぬかるでないぞ。わが息子クオリス・・・」



そう・・・戦争が起こるのだった・・・



隣国、「アリスト」の公国の一つ「クラウン」がユグドラシル王国が管理している「ウィンダム」を襲い、ユグドラシル王国に宣戦布告をしたのだ。
「その間、クオリスのことを頼むぞ」
「はい、陛下」
そばにいる四人の男・・・
「レジアス」城の城主であり12聖戦士の一人、「魔法騎士トード」の血を引く、ユグドラシル王国の宰相である、プレジデント。
「グロリア」城の城主であり12聖戦士の一人、「斧使いネール」の血を引く、公爵、ガイア。
「カルディナ」城の城主であり12聖戦士の一人、「聖戦士バルド」の血を引く公爵、プリウス。
「アベニール」城の城主であり、12聖戦士のの一人、「弓使いウル」の血を引く公爵、オリジン。
これから、隣国アリストに凱旋に行くのだ。
クオリスの娘シオンは、なんだか嫌な予感がしていた。
「父上・・・」
いくら祖父の言いつけでも、これだけは賛成しかねていた。
弟のオスカーは姉のそんな心配をまるで心でも読んだかのように察知していた。
「姉上、大丈夫です。別にアリスト王国の制圧に行くわけではなく、鎮圧に行かれるだけですよ?」
「けれどね、オスカー・・・私には胸騒ぎがしてならないのです。きっと何か良からぬ事が起こりそうで・・・」
そこへ、シオンの部屋に「ソアラ」城の城主であり12聖戦士の一人である「魔法戦士ファラ」の血を引く、まだ若き公爵のバサラが入ってきた。
「シオン様、父上が凱旋されると言うのにこんなところにいて良いのですか?お見送りはなさらないのですか?」
その時彼はシオンの傍にいたオスカーの姿を捉えた。
「おや?オスカー様までこんなところに・・・グランビアの王族ともあろうものがこんなことでは・・・」
「貴方に言われなくとも父上のお見送りくらい、ちゃんと致します。それに勝手に私の部屋に入らないでください!!良い迷惑です」
「私も随分とまあ・・・王女様に嫌われたものだ・・・」
バサラは明らかにシオンを皮肉っている。
オスカーもそれが気に入らないらしく、バサラを睨みつけている。
「早く行って差し上げないと、父上が嘆きますぞ」
言いたいことだけ言って、バサラはシオンの部屋を出ていった。
「姉上・・・」
「私、あの男が嫌いです・・・!」
自分の部屋の窓を見つめて空を睨むシオン。けれどシオンの胸には胸騒ぎだけしか残ってなかった。




シオンはオスカーと共に旅の支度を整え、出発しようとしている父・クオリスのもとに行った。
「父上、道中、お気をつけて行って来て下さい・・・」
「有難う、シオンは優しいね」
そう言ってクオリスはシオンの手を握った。そしてシオンにあるものを手渡した。
「父上・・・これは・・・?」
「お守りだ。取っておきなさい」
「お守り」と言ったものは、シオンの母の形見である指輪だった。
「オスカー。シオンとおじい様を頼むぞ」
それから数分後、父は公爵達の率いる兵士と共に、アリストへと向かって行った。
あれから数時間後、シオンは一人で神樹・ユグドラシルの傍に来ていた。
<父上、ナーガの魔道書も持たずに行ってしまわれた・・・>
シオンはこのユグドラシルの前で良く遊んでいた。
そのころの記憶がよみがえってくる…。それと同時にまだ胸に残る胸騒ぎがどうしても気になって仕方がなかったのだ。
<そうだ、ユーリなら・・・ユーリなら私の話をきっと聞いてくれる・・・>


ユーリ―――


ユグドラシル王国の公爵家の一つであり12聖戦士「大司祭ブラギ」の血を引く「ナディア」城の公女である。
ユーリとは良き相談相手として良く遊んだものである。
それにユーリはシャーマンとして教育されたシオンよりもはっきりとした信託が降りてくるブラギの司祭でもある。
シオンは何を思い立ったか、急に立ちあがり走って城に帰っていった。
「おじい様、ナディアへ行くこと、お許しいただけませんか?父上がいないと心細くて・・・」
シオンは祖父でありこの城の王であるヴィッツに申し出た。
「しかしのう・・・お前一人をナディアへ行かせるなどと・・・」
ヴィッツはかなり困った顔をして悩んでいた・・・
「なりません!!」
バサラがそこへ割ってはいってきたのだ。
「バサラ・・・」
シオンはものすごく嫌そうな顔になった。
「この城から出ることはおろか・・・ユグドラシルへ行くのも許されませんぞ!!」
「・・・・・・」
シオンの心に怒りが込み上げてくる。
「私はおじい様に尋ねてらっしゃるのです。貴方は口を出さないで頂戴!!」
「いいえ・・・クオリス様は不在中の時は全て私に任せて出発なされたのです。いくらシオン様の申し出とはいえ、国から出ることは許しません」
「・・・・・・!!」
ものすごく悔しい気持ちが表情に出てあらわになる。
「もう良いです。おじい様にもバサラ、貴方にも・・・もう何も頼みません!!」
そういってシオンは王室を出ていった・・・


その夜・・・・・・
シオンはナーガの魔道書を持って、厩舎にやってきた。
愛馬のブランの手綱をほどき、ブランを厩舎の外に出し、ブランの背に乗ってナディアに向かった・・・
そのときすでに…運命の歯車は回り出していたのだった・・・




作者:やったぁ!!新作ぅ~★
シオン:貴方、次から次へとまぁ…懲りずに書くんですのね…。
作者:今回のは出演者に私の通ってるチャットルームの常連さんが出てるからねぇ~。
シオン:無理難題、押しつけたものね…
作者:恋愛あり、戦闘あり、もうなんでもありだよねぇ~☆
シオン:この先が思いやられるわ……




キャラクター紹介


シオン
年齢:20歳
職業:シャーマン
本編の主人公。
聖者ヘイムの血を引き、光魔法ナーガを使用する。
穏やかで人の痛みがわかる心優しい性格。
だが、怒ると性格が正反対の性格に変わる。


オスカー
年齢:18歳
職業:バード
グランビアの王子であり、シオンの弟。
実直的な性格で、魔道士なのに騎士道を甘んじる。
ナーガは使えない