ユグドラシル聖戦記

ネツァクを落としたシオン達は、ネツァクの城下町に宿を取り、そこで一晩を過ごすこととなった。

シオンも今はぐっすり寝入っている。

そんな中…………

「ほら!!そこの切り返しが甘い!!!」

「はい!!」

テンルウはショウに剣の稽古をつけていた。

「何度言ったらわかるんだ?腰に力を貯めて、思いっきり振り上げるんだ」

「はいっ!!」

テンルウに言われた通りにショウは力を入れて剣を振るう。

「よし、今のは結構良かったぞ?」

「はい!!」

それが何時間も続いたのであった。



第16章 イェソドの城主・ダットサン



シオンはフッと眼を覚ました。

そしてシオンは身体を起こし、ベッドから立ち上がる。

宿の外へ出ると、テンルウがショウに剣術の稽古をしていたのが見えた。

ショウの頑張る姿はシオンにとって痛々しい光景でもあった。

<ショウ………本当はものすごく辛い思いをしているのに…………>

しかし、シオンにはそれを見守ってやることぐらいしかできない自分に苛立ちと怒りを覚えていた。

<ショウ……今は耐えて………必ず私がメルセデスを元の国に戻れるように頑張るから………>

その後シオンは、月光浴に出かけた……。



次の日の朝……

イェソドでは戦闘順議が開始されている。

「いいか?必ずグランビアの王女を手に入れるんだ!!」

ダットサンの狙いはシオン。

<あの女……昨日見たけどメチャクチャ美人だったなぁ……おまけに光魔法のエキスパート……我が妻にふさわしい………欲しいなぁ………彼女……>

なんてことを考えている、好色な公爵であった。

「王女は傷つけるなよ?」

「はい、閣下………」

<この人は……本当に女好きなんだから……後宮に30人も綺麗な女がいるのにまだ足りないのか?>

兵士達一同は皆そう思っていた。

しかもその大半は人から無理やり奪った人妻ばかりである。

<しかも今度は王女様だってさ……いいかげんにして欲しいよな……>

<噂のシオン王女なら相手がいてもおかしくないよな?>

<大陸一の美人巫女らしいしなぁ……>

<……ダットサン様のお目に止まったのが運のツキってとこか?>

<あれは……運じゃないと思うな………>

これが大半の兵士の心の声である。

そしてここの将軍、ボルボの心の声はというと……

<………いいかげんにしろ……この馬鹿公爵…自分をいくつだと思ってるんだ?42だぞ?42!!!いい年して……>

と言うことを心の奥で叫んでいた。



シオン達も準備を整えて、進軍をしている。

「ショウ、貴方にあげたいものがあるの」

そう言ってシオンがショウに渡したものは騎士の称号・ナイトプルフだった。

「シオン様……これ…………」

「今は軍師でいてもらうけど、国に帰ったら正式に騎士としての称号を貴方にあげます。これはその証。来年には騎士としてユグドラシルに仕えることになるわ。そのときはよろしくね、ショウ」

「シオン様………有難うございます!!!私の宝に致します」

「これからも初心に帰り、精進を忘れないようにね」

「はい、シオン様!!!」

この日はショウにとって一番嬉しかった日になった。

「シオン、いいのか?騎士の称号をあげたりして……」

「それは、貴方が一番良く知っていることなんじゃなくて?テンルウ様」

「………知ってたのか?」

「…………当たり前ですわ。夜中に部屋を抜け出して、ショウにこっそり稽古をつけていたのでしょう?」

シオンにはバレバレだったのをテンルウは思い知った。

「お前には勝てないよ……本当に」

「もう少し、部屋をうま~く抜け出す技術を身につけることですわ☆」

そう言ってシオンは笑った。



「王女、敵軍がこっちに向かってくるぞ!!数はおよそ300……魔道士と騎士が主体だ!!」

コウヘイが上空から偵察し、シオン達にそのことを伝えた。

「ホント………アイツの視力野生動物並だよな………」

「テンルウ様……そのおかげで私達は敵を把握することができてるんですからそんなこと言っちゃいけませんわ」

「コウヘイ、距離は?!」

「う~ん……………約4.5キロって所かな?」

「近いじゃねえか………」

「皆、応戦準備はできてる?」

シオンは皆に戦闘準備の状況を聞いた。

「姉上、私達はOKです」

「私もいつでも戦えます」

「風はいつも私に味方してくれるわ」

「僕も大丈夫だよ」

それが大半の答えだった。



そうこうしているうちに、イェソドの軍がシオン達の前に立ちはだかった。

「我はイェソドのボルボ。シオン王女は何処か!!」

その声にテンルウとシオンが顔を見合わせる。

「呼んでるぞ?」

「そうみたいですわね……」

<でも、何でシオンなんだ?>

テンルウの頭に疑問がよぎった。

シオンは皆の先頭に立った。

「私がグランビアの王女、シオンです」

<これが噂の………確かに美人だな………だがまだ幼い……>

ボルボはそう思った。しかし、ダットサンの命令には逆らえない。

「シオン王女、貴方の身柄、確保させてもらう」

それを聞いたテンルウは

<またかよ………あのメルセデス王の時とあんまり変わんねえじゃねえか!!>

テンルウの心にまた怒りが走る。

そして、シオンはロッドを天に翳した。



「エルサンダー!!!」



シオンはその言葉を聞いた後、不意打ちのように魔法を唱え、ボルボの近くにいた兵士に落雷を浴びせた。

それが……戦闘開始の合図になった。

テンルウはすぐさまシオンの前に立ちはだかり、剣を構えた。

「テンルウ様!!頑張って!!!」

もともとカリスマ性を持ち合わせているシオンが近くにいるだけで士気も高まっているが、テンルウにとってシオンの応援は支援効果がかなり効きまくっている。

もうすでにテンルウのテンションも上がっている。



「流星剣!!!!(愛の支援効果付き)」

テンルウの傍にシオンがいるだけでいつもの攻撃力が3割増になる。

それを人々は「LOVELOVEアタック」と世間では言った。

しかし、他にもその「LOVELOVEアタック」を発動させまくりのカップルがあった。



「イチイバル!!!」

「ライトニング!!!」

それはオスカーとキラだった。

この「LOVELOVEアタック」実は必殺率が上がるのである。

いわばシオン軍最強の理由は……これなのかもしれない……。



そしてキイナとヨウスケもあのフェットチーネ村での出来事で気が合ったせいか二人も一緒にいて背中を合わせ戦っている。

「ホント、キイナさんの風魔法はいつ見ても鮮やかだね」

「そう言うヨウスケのトールハンマーもなかなかの威力よ」

「けど、魔道士が相手なら、僕達も加減はいらないね」

「もちろん、そんなつもりは毛頭ないわ!!!」

そう会話を交わしつつ、二人は呪文の詠唱を終え、印を切った。

「トールハンマー!!」




「エルウインド!!」



二人の魔法が敵軍を一掃していくのであった。




その時コウヘイは魔道士にサンダーをかけられ、マグが怪我で飛べなくなってしまい、地上戦に持ちこんでいた。

妹のミホはコウヘイの援護をする。

しかし、コウヘイ自身も魔法攻撃を受けてしまっているのでいつもの力が出ずにいた。

やがて、敵の姿が見えなくなると、コウヘイは片ひざをついた。

「くそっ………俺とした事が油断したぜ………」

「兄様、今王女を連れてきますわ!!」

ミホはそう言ってペガサスに乗り、シオンを呼びに行った。



その頃のシオンとテンルウは………

「フフフ……」

「我等、ダットサン様一の重臣!!!」

「ナイト……レッド!!!」

「グリーン!!!」

「ブルー!!!」

「イエロー!!!」

「ピンク!!!」

「イェソド戦隊!!ナイトマン参上!!!」

「…………………」

いきなり現れた全身タイツ姿の仮面男達に絶句していた。

「ちょっと!!!作者、私は女よ!!!」

あ、それは失礼ぶっこきました………

ま、兎に角、いきなり現れた全身タイツの仮面男と女を見て絶句していた。

「シオン王女」

「ダットサン様の命令により…」

「貴方の身柄」

「確保させてもらう!!」

「覚悟しろ!!」

「…………………」

シオンはあまりの馬鹿さ加減にため息をついた。

<あの人たち……こんな季節にあんな格好して寒くないのかしら…?>

そう思っていた矢先に冷たい風がビューっと吹きすさぶ。



「さみーーーーーーーーーーー!!!」



寒いのは当たり前である。

季節はまだ晩冬。北風もまだこの地に残っており、北風がナイトマン達を襲う。

「…………」

<………何なの……?この人たち………>

<シオン………気にしたら負けだ………>

テンルウとシオンは耳元でひそひそと話し合っていた。

「う~~……さみぃ………」

「レッド、早く任務を終わらせましょうよ…」

「レッド……早く城に帰ろうよ……」

「レッド、敵は目の前にいるぞ!!弱みを見せちゃ駄目だ!!」

「レッド、そろそろ任務を遂行するぞ!!」

「というわけだ………行くぞ、シオン王女!!!」

そう言ってナイトマン達はシオンに襲いかかった。

「ナイトマンビーム!!!」

「ナイトマンアロー!!!」

「ナイトマンキック!!!」

「ナイトマンアタック!!!」

「ナイトマンパ~ンチ!!!」

ナイトマン達は一斉にシオンに攻撃した!!

カキィン

シオンはすぐさま結界を張って攻撃を全てはじき返した。

「くっ……やられた……」

「ああ……レッド……」

「レッド……任務遂行失敗しましたね……」

「レッド……これからどうしよう」

「しばらく身を隠すか………」

「いや!!諦めるのは早い!!合体だぁ!!」

ナイトマンは傷つきつつそう言い合った。

<一体なんなの……?この人たち………>

<…………昨日の公爵も馬鹿だったがこいつらもっと馬鹿だ……>

「行くぞみんな!!」

「おう!!」

「合体!!!ナイトロボ!!!」

そのロボットはシオンとテンルウの前に姿をあらわした。

キコキコキコキコキコキコキコ…………

レッド以外の4人は自転車をこいでロボを動かし、レッドはレバーでロボットを動かした。

<手動かよ…………>

<苦労が耐えませんわね………>

「おい!!ピンク、もっと早くこがないと左に曲がれないじゃねえか!!」

「そういうイエローも早くこがないと早く動かないわ!!!」

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

ブルーがやけに張りきってペダルをこいだ瞬間………

ロボットがシオンとテンルウの横を通り過ぎて勢いよく走っていく。

「おい、ブルー!!もうこぐなぁ!!」

「それが、ペダルが壊れて止まらないんだよぉ!!」

「レッド!!チェーンが焼ききれるわ!!」

「ぶつかるぅ!!!」

「お前等、うるせーーーーーーーーーー!!!」



ドカァァン



そして合体ロボは……大木にぶつかり爆発した………。

ナイトマンたちは華麗に散った……

「結局、あいつ等一体何がしたかったんだ?」

「さぁ………?」

二人とも呆れきってしまい、逆に疲れがどっと押し寄せてきたのである。

その時にミホが到着した。

「王女、兄が怪我をしましたの。回復してくださらない?」

「コウヘイ様が?わかりました。すぐに行きます」

「王女、ペガサスに乗って!!!」

「わかったわ」

そうしてシオンはミホに連れていかれ、テンルウは一人ナイトマンの散った場所を見つめた。

「合掌………」

テンルウは手を合わせ一礼をし、シオンの後を追っかけていった。




「ゲホッ………ゲホッ…」

「ねえ………俺達の出番これだけ?」

「そうなんじゃない……?」

「結局何もできなかった……」

「ガクッ………」




「コウヘイ様、大丈夫ですか?」

「王女……すまない……ちょっとドジったぜ………」

シオンはすぐさまリライブをコウヘイにかける。

「お兄様はドラゴンマスターなんですから、魔法に弱いのは当然ですわ」

「ミホ……お前に言われたくない………」

そうこう言いつつ、コウヘイの傷は癒えた。

丁度言い具合にテンルウがついたのである。

「シオン、そろそろ城攻めと行くか?」

「ええ、今日は私も行きますわ。相手はビショップのダットサンですから……」

「俺も行く。」

そうして3人はイェソド城に向かった。



さすがのイェソドには見習い系の兵士がいたらしく、王の間につくのに1時間を要した。

そして王の間についたがそこには誰もいなかった。

「誰もいませんわね?」

「ダットサ~ンでてこぉい!!」

コウヘイがそう叫ぶが反応なし。

あきらめかけていた頃………

「おお、麗しのシオン王女ぉぉぉ!!」

「きゃあああああああああああああ!!!」

後ろからダットサンが現れ、シオンの身体に抱きついたあげくシオンの胸を掴んでいた。

「シオン!!!」

「王女?!」

シオンはダットサンに抱きつかれ振りほどこうとするが離れずにジタジタ暴れていた。

「王女の胸は触りごこちがいいの~」

「いやああああああ!!!へんたぁい!!!」

さらには胸をもみだしている。

「てめえ!!!シオンの胸に触るなぁ!!!」

「ふっ………誰かと思えばアリストとトラキアの魔法もつかえん無知で愚かな王子どもか………」

そう言ってダットサンはシオンから離れ、宙に浮いた。

「誰が無知で愚かじゃ!!!」

「わめくな。余計に愚かしく見えるぞ……?」

「お前に言われたくないぞ、コウヘイ」

「それよりも………コイツ、宙に浮いてるぞ?!」

テンルウとコウヘイはそう言い合う。

コウヘイはダットサンが宙に浮いてるのをみて驚いている。

「待って!!!」

シオンはコウヘイの腰から銀の剣を抜き、ダットサンめがけて斬りつけた。

しかしシオンが斬ったのはダットサンの頭より上だった。

そしてシオンはあるものをつまんでいた。

「これ、ピアノ線だわ」



ドテツ



その瞬間、ダットサンは地に落ちた。

ダットサンはピアノ線で自分の身体を吊り上げていた。

「てめぇ………クソくだらん小細工しやがって………」

テンルウから怒りのオーラが燃え盛る。

「わしだって魔道士のはしくれ、こうすればカッコ良く見えると思ったんじゃ!!!」

「それがくだらねえって言ってんだよ、このエロジジィ!!!」

「全くもってくだらん」

「変な戦隊はよこすわ……シオンの胸には触るわ……ゆるさぁん……」



ドテボキグシャ

テンルウとコウヘイにたこ殴りされ、ダットサンは虫の息になった。

「王女……せめてそちの手で止めを刺してくれ……それで本望じゃて…」

「ダットサン………」

そう言ってシオンはナーガのロッドを構えた。

<おお………王女………それでわしの回復を………?>



「ナーガのホームランバットぉ!!!!」

「みぎゃあああああああああああああ!!!」



ダットサンはこうして……星になった………。




作者:16章終わりましたぁ

テンルウ:……………

シオン:…………何だったんでしょう……あれ……

コウヘイ:さぁ……?

作者:何だよ?

シオン:戦隊ロボって存在するんですの?

作者:ちなみに、あれ鉄板使用。

テンルウ:……がさい作りだな。

コウヘイ:しかも手動………ペダルこがないと動かない……

シオン:爆発もしてますわよ?

作者:あ?あれね自爆装置が勝手に動いただけ。

テンルウ:自爆装置もついてるのか………

作者:自爆装置はボルガノン使用

コウヘイ;魔法かよ…………

作者:そうでもしなきゃ、機械はこの世界に存在しない。

シオン:………作者………