ユグドラシル聖戦記

アリスト王国の王都・セフィーロでは今、ある揉め事が起こっていた。
セフィーロは代々12聖戦士の一人である「剣聖オード」の血を引く由緒正しい家柄でもあり、この国はソードファイターなどの剣士がほとんどの職業をしめていた。




セフィーロで起こってる揉め事――――――




それは、王であるトレノがユグドラシル王国に謝罪に出向いたっきり帰ってこないのだ。
アリスト王国の王太子であるリバティはある決意を迫られていた。
ユグドラシル王国との戦争である。




第2章 バルムンクの剣聖 テンルウ




テンルウはこのセフィーロの若き王子である。
小さい頃から、父リバティに剣の手ほどきを受けて育ってきた「剣聖オード」の直系である。セフィーロに伝わる秘剣・流星剣もすでにマスターし、父をも超える勢いで上達していった。
そんなテンルウの周りでは大臣などがどたばたしていて非常に騒がしかった。
「きっと、王はユグドラシルの者に殺されたに違いありません!!」
「そうです、バルムンクをお持ちにならなかった王を・・・」
「リバティ様、ユグドラシルとの戦いをご決意下され!!」
そんな言葉が次々に耳にはいってくる。
「・・・テンルウ、そこにいるんだろ?」
リバティはテンルウが立ち聞きしてることに気付いていた。
テンルウはしぶしぶ会議室に入っていった。
「なんでしょう・・・父上」
「聞いてた通りだ。テンルウ、この城を去れ」
そのリバティの言葉を会議室にいる皆が疑った。
「リバティ様。何を考えておられるのです!!テンルウ様も出陣なされるのが上策ではございませんか?!」
「リバティ様、お気は確かですか?!」
「テンルウ、お前は生き残らねばならぬ。お前が生きていればオードの直系の血は絶えることはない。決して剣聖オードの直系の血は絶やしてはならん。だからテンルウ、この城から、この国から去りなさい。お前にはバルムンクも渡しておこう。決して死んではならぬぞ」
リバティはそういって、バルムンクをテンルウに手渡した。
「・・・わかりました、私はこの地を去ります。そして、必ず生きてこの地に帰ってきます」
「マルスも連れていけ。あの子はきっとお前の助けになってくれる。アイツの父にも許可はとってある」
「私もそのつもりでおりました。では父上、御武運を・・・」
そう言ってテンルウは父に一礼をして、会議室を去り、従兄弟のマルスのいる部屋に向かった。


この城とも今日でお別れ・・・


そう思うと心なしか寂しくなってくる。
この城で17年間育ってきたテンルウにとっては離れたくはない故郷。
よく従兄弟のマルスとこのあたりで馬の競争などをやったものである。
テンルウはこのような事態になった、ユグドラシル王国を呪った。




いつか、ユグドラシルの王族を・・・この手にかけてやる・・・




そう心に誓いながら、テンルウはマルスのいる部屋のドアをノックした。
「やぁ、テンルウ。どうしたんだい?それにしてもセフィーロは今、すごく慌ただしいね。リバティ叔父様はなんだって国中の手だれをここに集めて・・・」
「マルス、父上からの伝言だ。俺と一緒にこの地を去るぞ。君の父上もご承知だ」
その言葉には流石のマルスも驚いた
「なんだって?!正気かい?この地を去れなんてそんな・・・」
「父上の言いつけだ。逆らうわけにはいかない。それにこの地はもうすぐ戦場になる。父上からバルムンクも預かった。俺はこの地を出る。」
「テンルウ・・・」
マルスの心中はきっと葛藤でいっぱいだろう。それはテンルウも同じこと。
しかし、『ここで死ぬわけにはいかない』という使命がテンルウを狩りたてる。
「わかった・・・テンルウがそこまで言うなら、僕はもう何も言わない。僕も一緒に行くよ。・・・すぐに行くのかい?」
「ああ、時間の余裕はない」
「じゃあすぐに支度をするから、例の場所で待っててくれないかい?」
「わかった・・・」
そう言って、テンルウはマルスの部屋を出た。
セフィーロの城下は大きな町がある、それに綺麗な谷もあった。
テンルウはそこでいつもなにかがあれば谷に行き、考え事をする習慣があった。
もう、この谷にくることもなくなる。マルスとの待ち合わせもこの谷である。
数十分後、マルスは二人の騎士を連れて谷にやってきた。
「お待たせ。キミも準備は出来たかい?」
「ああ・・・」
谷の風景を・・・谷から見える海を見つめてテンルウは返事をする。
「マルス、俺はこのバルムンクに誓う。祖父殿を亡き者にし、今なお父上も殺そうとするユグドラシルの王族を・・・この手で討つ!!」
そう言ってバルムンクを鞘から出し、海に向かってバルムンクを掲げた。
バルムンクは日の光を浴びて美しい光を放つ。
「まずは、何処へ・・・?」
「アリストから南下してレンスターに入り、そこからユグドラシルへ入ろうと思う。遠回りな上に道も険しい・・・けどこのまままっすぐユグドラシルに入ってはユグドラシルの軍隊に遭遇する可能性があるから、アティルト砂漠を越えてレンスターに入ったほうが得策だと思うが・・・?」
「意見一致だね。じゃ、名残惜しいけど行こう・・・」
こうしてテンルウたち四人はアレスト王国をその日のうちに去った。
運命の歯車は、カラカラと音を立てて回っている―――――




作者:これはシオンが城を出る前のエピソードになります。
テンルウ:ほぉう・・・
作者:次回はユーリのエピソードです。
テンルウ:ところで・・・なんで主人公が一回一回違うんだ?
作者:それは、何が起こってこうなったかを把握しやすくするため、たまにはこういう趣向もいいでしょう? テンルウ:ちょっと思ったんだが・・・国の名前と俺達の父親達の名前、車の名前じゃねぇか? 作者:・・・・・・(汗)
テンルウ:黙りこくりやがった・・・(怒)
作者:うん、いつか小説に車の名前を使いたくてわざわざ本買いました、あぁ買ったよ!!
テンルウ:いくら値段が200円で安いとはいえ、馬鹿だ・・・
作者:後もう一つ理由があったんだよ・・・
テンルウ:なんだ・・・?
作者:自分の車が欲しくて、ちょっと雑誌で物色しようと・・・
テンルウ:さらに馬鹿だ・・・、だいたい車の運転は親に止められてるじゃねえか!なんだって・・・
作者:私の夢なんだよ・・・
テンルウ:あ~、はいはい(呆)




P.S:その後で、パールホワイトのパジェロミニ(スヌーピーモデル)を中古で買いました♪




キャラクター紹介


テンルウ
年齢:17歳
職業:ソードファイター
本編のもう一人の主人公。
アリスト王国の王子であり、神剣バルムンクの後継者。
性格は、クールで冷静沈着に見えるが、熱血漢なところがある。



マルス
年齢:16歳
職業:ロード
アリスト王国にあるセフィーロ王家の分家の息子。
テンルウとは母方の従兄弟にあたる。
心優しく、草花を愛する好青年。