ユグドラシル聖戦記

ユウキのグングニルがユウキの寝室から消え、全員で城の中をくまなく捜したが、グングニルは見つからなかった。
ユウキはそれっきり、気力を無くしたかのように茫然としてしまっている。
クスハがユウキの部屋を調べたところ、何者かが侵入し、グングニルを盗んでいったということしか今のところわかってはいない。
そんな状態でも、進軍の手は緩めずに、トラキア王国の北の方・・・自由都市「エスクード」へ入ったのだった。
しかし、いつまで経っても気力を失ったままのユウキを元気付けようと、イナルナはエスクードで3日間の休息を取ることにしたのだった。




第40章  さよなら 彷徨える光の女神よ




イナルナはユウキを連れて買い物に来ていた。
しかし、ユウキはどこか上の空でイナルナが問いかけても空返事しかしなかった。
「ねぇねぇ見て、ユウキ。このペンダント、凄く可愛いと思わない?」
「・・・・・・あぁ」
嬉しいそうに売り物のペンダントを付けて笑顔でユウキに見せるイナルナ。
だが、見ているのか見ていないのかわからない状況で軽く返事しかしないユウキ。
「ユウキったらぁ・・・私の話、ちゃんと聞いてるぅ?」
「・・・・・・あぁ」
そんなユウキを見て、イナルナは段々腹立たしくなる。
「ユウキ・・・?」
「・・・はぁ・・・」
イナルナの呼びかけすらも聞こえてないのか、深いため息をつくユウキ。
そして、イナルナの怒りが爆発した・・・



「ユウキったらぁぁぁ!!!」




耳元でイナルナに怒鳴られ、ユウキは少し驚いた。
「イ、イナルナ。急に怒鳴ったりしてどうしたんだ・・・?」
今までのイナルナの行動がまるで何もなかったようにユウキは耳を軽く抑えつつそう言った。
その言葉を聞いて、イナルナはさらに腹を立てる。
「さっきから、色々話し掛けてたのに・・・・・・何も聞いてなかったのね?!!」
「えっ・・・いや、そういうわけじゃ・・・」
「もういいよ、ユウキの馬鹿ぁ!!!」
イナルナはそうユウキに言い放ち、走り去ってしまった。
ユウキもそう言われたことに驚き、彼女を引きとめるタイミングを失ってしまったのだった。
「・・・・・・イナルナ・・・・・・俺一人じゃ、城に帰れないんだが・・・・・・」
と、一人アクセサリーショップの前で立ちすくむユウキであった。




で、それから数分後。
イナルナは泣きながら、ショウとテンルウの元に走ってきたのであった。
「ショウぅぅぅぅ・・・」
ショウの顔を見て、涙をボロボロ零すイナルナ。
ショウはそんなイナルナを見て、少しオロオロする。
「イナルナ様、いったいどうしたんですか?ユウキ様は・・・?」
「聞いてよ、ショウ・・・ユウキったらひどいのよぉ・・・」
「ひどいって・・・・・・?」
「せっかく色々アクセサリーとか見てもらおうと思ってたのに、ずーっと上の空で、私の話全然聞いてくれないのよぉ・・・」
泣きながら、イナルナはショウにそう告げる。
「で・・・ユウキ様はどうしたんですか?」
「・・・・・・あ・・・・・・」
怒りで我を忘れたのか、ユウキが極度の方向音痴なのをすっかり忘れてしまったことに気付いたイナルナ。
「・・・忘れて置いて来ちゃったんですね・・・・・・?」
「・・・・・・うん・・・・・・」
「ダメじゃないですか・・・いくら腹立たしくても、ユウキ様の方向音痴はイナルナ様もご存知でしょう?」
「でもぉ・・・」
「でももへったくれもないだろ?迎えに行って来い」
テンルウに少し強く言われ、イナルナはしょげた表情になる。
「イナルナ、ユウキの気持ちもわかってやれ、グングニルが自分の手元からなくなって、気が気じゃないんだ」
「・・・・・・はい、私が少し我侭すぎました・・・ユウキに謝ってきます」
そう言って、イナルナは走ってユウキを捜しに出掛けて行った。
ショウとテンルウはそんなイナルナの背中を見守る。
「・・・いつになったらあの子はユウキの気持ちを理解するんだろうな」
「他の人のことに関してはすこぶる感がいいんですけど、自分の事となると急に鈍感になっちゃいますからねぇ・・・」
「・・・・・・でも、なんだか嫌な予感がするな」
そのテンルウの予感はまもなく的中するということは、まだ誰も知らない・・・




一方その頃、オグマはノルンと一緒に買い物をしていた。
ユウキとイナルナとは正反対に、親密な関係の二人はどんどん先に進んでいっている。
すでに相撲を取る寸前までいっているということは、当の2人とテンルウくらいなものである。
そんな2人が買い物をしているのには理由があった。
オグマはノルンに正式なプロポーズするためである。
そのため、2人はアクセサリーを見てまわっていた。
「オグマ様、まだ見つからないのですか?もう4軒目ですよ?」
「いや、こういうのはじっくり探すんだ・・・」
彼がこう真剣に探している理由を知らないノルンは、少し疲れていた。
そして、フッと周りを見まわすと、彼はユウキらしき人物を見かけた。
だが、ユウキがイナルナと一緒にいるということ知っていたノルンは少し違和感を覚えた。
イナルナが傍にいなかったことと、そのユウキは槍らしきものを持っていたという事である。
いくらユウキでもイナルナとのデート中にそんな物騒なものを持って歩いたりしない。
せいぜい銀の剣一本持って歩くのが彼の信条である。
「どうした?ノルン・・・」
「いえ・・・ユウキ様らしい人を見かけたんですけど・・・ちょっと・・・」
「ちょっと・・・どうした?」
「なんだか・・・いつもと違うような気が・・・」
ノルンの言葉にオグマは首をかしげる。
「まぁ・・・グングニル盗まれること自体、あいつらしくないよな・・・どんな気配でも察知するアイツが・・・自分の部屋にあったグングニルをあっさり盗まれるんだから・・・」
「・・・・・・何もないと・・・いいですけど・・・」




イナルナは必死でユウキを探して町を彷徨っていた。
<早くユウキを探して謝らなくちゃ・・・>
そういう気持ちが彼女の足を急がせる。
だが、1時間探してもユウキは見つからない。
「ユウキ・・・もしかして街の外に出ちゃったのかなぁ・・・」
ユウキが好きな闘技場も探したが、ユウキの姿は見当たらない。
思わずため息が出てしまうイナルナ。
「ユウキぃ・・・何処に行っちゃったのぉ・・・・・・?」
涙が入り混じった声でそう呟く彼女。
だが、彼女の肩を後ろからポンポンっと叩いた人がいた。
イナルナは思わず振り向いた。
そこには、ユウキが立っていた。
「ユウキ?!」
「どうした?イナルナ、少し息が切れてるぞ・・・?」
「よかったぁ・・・見つからないかと思った・・・」
「もしかして・・・探しに来てくれたのか?」
ユウキの問いかけにイナルナは笑顔で大きく頷いた。
「そっか・・・ありがとうな」
「うぅん、いいの・・・だって私・・・ユウキがグングニルを盗まれたっていうの・・・ショックだったはずなのに自分のことばかり考えて・・・ごめんなさい」
「あぁ・・・その事か、それなら・・・気にしなくていい」
ユウキはイナルナの髪をそっと撫でる。
イナルナはその事が嬉しかったのか、微笑みをユウキに向ける。
「でも・・・見つかってよかった・・・・・・かなり探したんだけど・・・何処にもいなかったから・・・」
「あぁ・・・ホントに助かったよ」
「ユウキ、もうすぐ日が暮れるし・・・お城に帰ろうか」
そう言うと、イナルナはユウキに背を向けて歩き出そうとした。
その瞬間、ユウキが不適な笑みを浮かべた。
「・・・・・・帰る必要など・・・ない」
何かが刺さるような鈍い音が、イナルナの耳に届く。
気が付くと、胸の辺りから三つの刃が生えていた。
イナルナはその刃に見覚えがあった。
それはユウキの部屋から盗まれたグングニルの刃だった。
「なっ・・・・・・」
「お前はこれから俺の手で殺されるんだからな」
振りかえったイナルナが見たユウキの瞳は冷徹そのものであった。
イナルナの瞳から涙が零れる。
この世界で、家族であるオグマやテンルウ、親代わりだったショウやルカよりも好きなユウキが、愛用の武器で自分を殺そうとしている。
そのことを思った瞬間に、涙が溢れ出した。
そして、彼女は地に倒れこむ。
喉が焼けるように熱く、何かが込み上げてくる。
その込み上げてきたものを吐き出すイナルナ。
それは、真っ赤な鮮血であった。
土と口元を抑えた手が真っ赤に染まる。
痛くて・・・とても苦しい。
そして何よりも・・・・・・凄く哀しかった・・・
「イナルナ、これが俺の愛だ。受け取ってくれ。そして・・・俺の為に死んでくれ」
ユウキに言われた一言が心に刺さる。
<嘘だ・・・こんなの嘘だ・・・ユウキが・・・・・・私を殺そうとしてるなんて・・・>
口に出す気力もなく、心の内でそう自分に言い聞かせるイナルナ。
だが、胸に走る痛みがそれが現実だと言うことを物語っている。
<ユウキ・・・・・・お願い・・・嘘だって・・・・・・嘘だって言って・・・・・・!!!>




その頃、ユウキはイナルナがいるところとは反対側を彷徨っていた。
ユウキもユウキでイナルナを探していたのだった。
だが、急に胸騒ぎがしたのだった。
しかも、それはイナルナに関わっている事だと、察した。
自然と、足がイナルナのいる方角へと向く。
「イナルナ・・・・・・!!」
彼女の名を呼びつつ、彼は走り出した。




だが、彼が察した時にはすでに、イナルナの意識は出血のせいで朦朧としていた。
「嬉しいか?イナルナ・・・好きな相手に殺されるっていうのは、中々心地いいだろ?」
ユウキの言葉を否定したくても、声が出ないイナルナ。
必死に首を横に振ろうとする。
「あ・・・う・・・」
「凄く綺麗だよ、イナルナ。死ぬ寸前のものほど、美しいものはないからな」
そう言うと、彼はイナルナの唇に軽くキスをする。
「ユウ・・・・・・キ・・・・・・私・・・」
涙を流しながら、必死に言葉を出そうとするイナルナ。
だが、ユウキは彼女の胸に刺さってるグングニルをさらに奥へと突き刺した。
「イナルナ。もう鬱陶しいから、そろそろ息絶えてくれよ。なぁ?」
ユウキが不適な微笑みを称えて、イナルナにそう言った瞬間だった。
「イナルナ!!!」
血相を変えて、走ってきたユウキが彼女の名を呼ぶ。
その時彼が目にしたのは、胸にグングニルを刺して倒れて血を流しているイナルナと、それを冷たい眼で見下していた男がいた。
ユウキはその人物の顔を、見た事があった。
いや、絶対に忘れるはずのない顔だった。
「・・・父上?!!」
「遅かったな、ユウキ。待ちくたびれたぜ」
「いや・・・そんなはずはない・・・父上は18年前に死んだはずだ!!」
そう、イナルナがユウキと思いこんでいた人物は、かつてマイラに殺されたはずのユウキの父親、コウヘイだった。
コウヘイとユウキはまるで生き写しであるかのようにそっくりだった。
「そう、俺は1度死んだ。だが、マイラ様の力によってこの世に転生したのさ」
「ま、まさか・・・・・・!!」
「・・・俺の名はアインス。マイラ様の直属部隊、12神将の一人だ」
そう言うと、彼はスッと立ちあがった。
「俺の目的は達成した。これでお前達はマイラ様に抵抗する力を失う。せいぜい、諦める事だな」
そう言うと、アインスの周りに魔法陣が現れ、アインスは魔法陣の中へと消えていった。
ユウキはすぐにイナルナに駆け寄り、すぐに彼女に刺さっているグングニルを抜いて彼女の身体を抱きかかえた。
「ユウ・・・・・・キ・・・・・・?」
「イナルナ、ごめん・・・・・・ごめんな・・・すぐに気付いてやれなくて・・・!!」
そう言うと、イナルナの頬に、水滴が落ちる。
「ユウ・・・キ・・・・・・泣いて・・・る・・・の?」
イナルナの言葉通り、ユウキは泣いていた。
「イナルナ、今クスハのところに連れてってやるから・・・だから・・・・・・!!」
すると、イナルナはユウキの頬を精一杯の力で撫でた。
「泣か・・・ないで・・・・・・ユウキの・・・せいじゃない・・・・・・から・・・」
「イナルナ・・・!!」
「ユ・・・ウキ・・・・・・私ね・・・ず・・・っと・・・貴方の・・・事・・・・・・」
その瞬間、彼の頬に触れていた右手が地に落ちた。
瞳も重く閉ざしてしまっている。
「イナルナ・・・?イナルナ・・・・・・!!」
ユウキはイナルナの身体を揺するが反応しない。
先程まで感じていた脈動も一切感じない。
少しずつ、体温が下がっていく。
「畜生・・・・・・ちくしょう・・・・・・!!!」
そう言葉にしつつ、涙しながらユウキはイナルナの身体を強く抱きしめるのだった。




夜になってもイナルナとユウキは一向に帰ってこない。
だんだん周りが慌ただしくなってきていた。
何かがあったとしか言いようがない、そんな感じが全員の心を支配していた。
オグマも気が気でないらしく、壁を乱暴に殴りつける。
「お兄様、少し落ちついてください・・・大丈夫ですよ・・・ユウキ様が傍にいるんですから・・・」
「だからって・・・もう夜の10時だぞ?!どう考えたって遅すぎる・・・!!」
すると、グルーヴィが慌ただしい様子でみんなが待機している大広間に入ってきた。
「オグマ様、ユウキ様が帰ってきました」
「そっか・・・イナルナは?」
「そ・・・・・それが・・・・・・」
グルーヴィは何故か言葉を中々発しようとしない。
オグマはすぐに何かあったと思った。
「イナルナはどうしたんだ!?」
「イ・・・イナルナ様は・・・・・・ユウキ様が抱きかかえて・・・らっしゃったんですが・・・」
「あの凄い照れ屋のユウキがイナルナを・・・?」
「その・・・・・・」
「グルーヴィ、いってくれないと状況がわからない。はっきり伝えてくれ」
テンルウにそう言われ、グルーヴィも困った顔をする。
「イナルナ様は・・・何者かに襲われたらしく・・・すでに息絶えてる状態でした・・・」
グルーヴィの言葉を聞いて、周りが一気にざわつく。
「おい・・・それってどう言う意味だよ・・・・・・!!」
「オグマ様・・・」
「ユウキは何処にいる?!」
「・・・・・・礼拝堂へ行かれました」
グルーヴィがそう報告すると、オグマは血相を変えて礼拝堂へと走り去っていった。
「そんな・・・イナルナ様が・・・・・・」
「お姉様・・・」
「・・・・・・」
オグマが礼拝堂に着くと、そこにはユウキと祭壇の上に寝かされているイナルナがいた。
イナルナの血色はかなり青ざめ、血の気がないようだった。
「ユウキ・・・・・・!!」
オグマの呼びかけにユウキは一切反応しない。
彼はイナルナの方に駆け寄り、彼女の身体に触れた。
彼女の身体はすっかり冷たくなっていた。
「イナルナ・・・なんでこんなに冷たくなってるんだよ・・・・・・」
だが、彼女は一切反応しない。
「ユウキ・・・・・・!!お前が付いていながら、なんでイナルナがこうなるんだよ?!!イナルナを守るって自分に誓ったんだろ?!!」
「・・・・・・」
オグマに責められてもユウキは生気を失ったような瞳で、されるがままになっていた。
「ユウキ!!!」
「・・・・・・俺が・・・駆けつけた時・・・イナルナの身体に・・・グングニルが・・・深く刺さってた・・・・・・」
「なんだって・・・・・・?!」
「父上が・・・・・・俺になりすまして、イナルナを傷つけたんだ・・・・・・」
いつものユウキらしくない気の抜けた声でそう語り出すユウキ。
「そんなこと有り得ないだろ?!お前の親父は18年前に・・・・・・!!」
「・・・・・・マイラが、12神将の一人として復活させていた」
「・・・・・・!!」
「グングニルを盗み出せるのも納得がいく。ダインの直系の・・・後継者の身体だからな・・・」
そう言った瞬間、ユウキはその場に座りこんでしまう。
普段のユウキからは考えにくい行動であった。
「お前・・・泣いてるのか・・・・・・?」
「なんで・・・・・・今の今まで・・・気持ちを伝えようとしなかったんだ・・・!!こうなったらもう・・・・・・気持ちを伝えることも出来ない・・・!!」
「ユウキ・・・・・・」
「イナルナは・・・俺の全てだったのに・・・・・・イナルナを守る事だけが俺の生きがいだったのに・・・!!なんでこうなっちゃうんだよ・・・・・・!!」
後悔だけが、ユウキを支配する。
オグマも物言わなくなった妹の姿を見て、哀しくなったのか、切なそうな表情になる。
すると、堅く閉ざされていた礼拝堂の扉が重々しく開いた。
その先にはショウとテンルウがいた。
ショウとテンルウは歩いてオグマとユウキのいるところで足を止めた。
「ユウキ様・・・お気を確かに・・・」
「・・・・・・そんなこと・・・できるわけないだろ・・・・・・俺の目の前で・・・イナルナは殺されたんだ・・・!!」
「だからこそ、しっかりしないでどうする」
「そういうが・・・バルキリーは命を引き戻す力を封印され、ただの棒と同じになっている・・・イナルナを生き返らせる事はもうできない・・・!!」
「・・・・・・もしかしたら、その封印解けるかもしれない。そう言ったら?」
テンルウの言葉にユウキが、そしてオグマも反応を示した。
「・・・どういう、事ですか・・・?」
「昔、ユーリから聞いた事がある。確か・・・ここから西の方角へ行くとブラギ神のお告げが聞く事が出来る塔とそれを守る神殿があるってな」
「ブラギの・・・塔・・・?」
「あぁ、確かその神殿には祭壇があって、死んだ者と交信できる力を持っていると聞いた事がある」
「死んだ者との交信・・・・・・」
テンルウはさらに言葉を続ける。
「その力を利用したら、バルキリーの力の封印を解けるかもしれない。行く価値はあると思うが?」
テンルウの言葉をユウキは深く噛み締め、自分なりに考える。
確かに可能性としても結構高いかもしれない。
駄目もとで、行ってみたほうがいいかもしれない。
そういう考えが頭をよぎる。
「・・・・・・クスハを連れて俺はそこへ行く」
「ユウキ?!」
「イナルナが生き返る可能性が、少しでもあるなら・・・俺はそれに賭ける!!」
「それでこそ、ユウキ様です・・・」
「ショウ、オグマ、俺に付き合ってくれないか?」
「もちろんですよ。私も主君を失ったまま何もしないわけにはいきませんから」
ショウの言葉を聞いて、ユウキは少し笑顔を取り戻す。
「とりあえず、イナルナを俺の部屋に運んだほうがいいな。このままでは・・・」
「テンルウ様、何かあるのですか?」
「このまま放置したら、おそらく身体の機能も死んでしまうだろう。そうならないように、俺が力を送る」
ユウキがそれを聞き、再びイナルナの身体を抱きかかえる。
「明日の朝、一番でその神殿に向かう。クスハには俺から話しておくよ」
「あぁ・・・・・・頼む」
そう言うとユウキはテンルウと共に礼拝堂を離れる。
「オグマ様、成長しましたね。昔の貴方ならイナルナ様の傍を離れたりしなかったのに」
「今・・・イナルナの傍にいるのが一番いいのは・・・ユウキだからな・・・」




その後、ユウキ・クスハ・オグマ・ショウの4人は夜が明けてすぐに西の方角にあるブラギの神殿へと向かったのであった。




作者:え~、12章をお送りしましたがいかがだったでしょうか?
ユウキ:グングニル投げぇ!!!
作者:うわっ!!!やっぱし来たぁ!!
オグマ:当然だ、よくもイナルナ殺しやがって・・・
ユウキ:作者・・・いい死に方はさせてやらんぞ・・・?
作者:・・・殺したの私じゃないじゃんか・・・
オグマ:だが、全ての権現はお前のせいだ
作者:何かヤバそうな雰囲気・・・逃げよっ!!!
ユウキ:あっ!?待てこの駄目作者ぁ~!!!
テンルウ:じゃ、そういうことでここで締めるぞ・・・