ユグドラシル聖戦記

レンスター王国を解放し、イナルナ軍はキイナを軍師に迎えアミナル・ユラを軍に加え、一行は南のマンスター地方へと足を運んだ。
そのアルスターでは、今一人の賢者が元々マンスターにあったレジスタンスを束ね、マンスター城を守っているという。
そして、カナメとキイナにはその賢者に心当たりがあった。
「おそらく、その賢者っていうのは・・・」
「えぇ、おそらくライナでしょう。あの子は優しい子だから・・・」
キイナとカナメの予想は、果たして・・・・・・!!




第37章 そして彼女は神秘の光になる



アルスターを守っている賢者・・・
それはキイナとカナメの予想の通り、センティア王国の王女、ライナであった。
ライナはキイナを探しに旅に出て、この街にたどりついた。
だが、彼女にはマンスターの人たちを放って旅を続けると言う事ができなかったのである。
「ライナ様、帝国軍はさらに兵力を増加してこの城を攻めてきます!!」
「なんですって?!タダでさえ40万も兵力を出してきているのに、これ以上増えるって言う事なの?!」
「えぇ・・・密偵の話だと、その数70万だとか・・・・・・」
「もしかして・・・いいえ、例えそうだとしても、正義は必ず勝つんです!!!」




その頃の帝国軍――――――――



「何も、あんな城一つ落とすのに貴方様が自ら出ずとも・・・・・・」
「フフッ・・・もうすぐあの子達があの城に到着するわ。そうなったら貴方達があの城を落とすことなど不可能に近いわ。だけどね、わらわがここに居るとなるとその可能性はグンと下がるの。でも、わらわはマジメに戦うつもりなんてないわ。わらわは遊びにも手を抜かないのよ。苦しめて苦しめて絶望を見せつけるの。きっとわらわを見たら絶望するでしょうね。その為にわらわはいるのよ。」
「なるほど、そう言う事でしたか・・・さすがは・・・」
「それにあの人も目覚めを迎えたみたいだし、久しぶりに会ってみるのも一興じゃなくて?」
そう言いながら、彼女の表情は不適な笑みと変わる。
その表情はこれから起こる現状を楽しみにしているかのようだった。
「さぁ、早く来てちょうだい・・・」




「イナルナ様、もうじきマンスターに到着します。気持ちの準備をお忘れずに」
ショウの言葉に大きく頷くイナルナ。
その横ではブランがイナルナを守るように寄り添って歩いている。
「うん、わかってるわ。気持ちの方は大丈夫よ。でもね、何かはわからないんだけど、妙な香りがマンスターを包んでいるような・・・そんなカンジがしない?」
イナルナの言葉を聞いてテンルウが少しばかり反応する。
「確かに、普通の空気の匂いじゃないよな。なんかこう・・・甘くて蠱惑的なカンジの・・・」
傍にいたオグマも匂いには気付いていたようだ。
しかし、その横でユウキはイヤな予感にかられていたのである。
<この匂い・・・俺は知っている。確かあの時に嗅いだ匂いと同じ・・・!!>
そう思いつつ横目でショウを見るユウキ。
その視線にはショウもすぐに気付いたのか、ユウキと目が合う。
「ショウ、もしかしてこれは・・・・・・!!」
「ユウキ様・・・そのまさかだと・・・」
ショウの顔色が少し青ざめる。
テンルウの表情も険しくなる。
「やはり・・・この地に来ていたか・・・!!一体どう言うつもりだ・・・」
テンルウは握り拳を作りぎゅっと力を込める。そして、空を睨みつけた。




その上空にはテンルウにとって憎むべき人物が宙に浮いていた。




彼女の周りには辺りとは違う空気が流れている。
その空気の香りは蠱惑的で、甘かった。
彼女は黒い羽衣をバサッと凪いだ。
「久しぶりねん☆テンルウちゃん、相変わらずカッコイイ容姿は変わってないみたいでわらわは嬉しいわん♪」
その声を聞いた瞬間、テンルウの怒りが爆発する。
「てめぇ!!!その姿でその喋りかたやめろぉぉ!!!!」
その怒りの点は何処かずれていたのであった(爆死)
ショウとユウキはそれを聞いてずっこけている。
「いやぁん☆そんな顔で怒っちゃぁん☆18年ぶりの感動的な再会じゃなぁいん☆」
「何が感動的だ!!てめぇのせいで・・・シオンがどれだけ辛い思いをしたかわかってんのか?!!」
そのテンルウの言葉を聞いて、彼女の表情が変わった。
「テンルウ・・・まだわらわではなく、あの女を選ぶと言うの・・・?」
「お前なんかよりシオンの方が数万倍もいい女だよ!!お前なんかと比べるな!!!」
テンルウの怒りの言葉が彼女に向かって放たれる。
ちなみにイナルナやオグマ、他のメンバーは彼女が誰なのかはわかってはいなかった。
キイナとテンルウ、ショウ、ユウキを除いて。
「母上に・・・・・・似てる・・・・・・?」
何となくそう思ったオグマがそう言葉にする。
イナルナはなんとなくだが、なにか不穏な気配に気付いている。
ブランも横でウーウー唸っている
彼女は空からイナルナ達を見下ろし、そしてこう言った。




「我が名はマイラ。ユグドラシル帝国の女帝であり暗黒龍ロプトウスの化身である」




その言葉を聞いた瞬間、イナルナ達は言葉を失う。
だが、その中でたった一人、怒りを剥き出しにしているものがいた。
オグマである。
「お前が・・・・・・お前が俺達の母上を殺し・・・全てを混沌と絶望に落とし入れた悪女か!!」
「『殺した』ですって?わらわはお前達の母親など殺してはおらぬ。なにせわらわはお前達の母親なのだから」




その言葉を聞いたとき、周りの時間が止まった気がした。
「そ・・・そんな・・・・・・母上がマイラだったなんて・・・・・・!!」
「違う・・・・・・!!違うっ!!そんなことあるわけない!!!母上は・・・母上はとても優しくて素晴らしい人だった!そんな人が暗黒帝国を作り上げるなんてバカなこと・・・するわけないだろ!!!」
自分に言い聞かせるかのように、オグマがそう叫ぶ。
その時ユウキがテンルウの胸ぐらを掴みかかった。
その表情は怒りでいっぱいである。
「一体どういう事だ?!!何故イナルナの母が自分の娘を殺そうとする?!!」
「違う!アイツはシオンじゃない!!マイラはヘイムの姉。500年前に肉体の滅びた魂だけの存在。アイツは19年前にシオンに乗り移り肉体を奪った。マイラはシオンじゃない。シオンはアイツを自分の肉体に封じ、お前らに全てを託した・・・」
テンルウの声が段々悲痛の叫びと変わっていく。
「じゃあ・・・・・・マイラはシオン王女から肉体を奪ってシオン王女を取りこんだってことなのか?!」
「いや・・・シオンはマイラに取り込まれてはいない・・・シオンはナーガの化身。取りこんだらマイラ自身の魂が持たないはずだ。ロプトウスはナーガには絶対に勝てないからな・・・」
「絶対に勝てない・・・?それは一体どう言う事だ。何か理由があるのか?」
「ナーガはロプトウスの力を封じる事のできる唯一の神。マイラにとってイナルナの存在は脅威そのもの。イナルナは俺と出会って間もなかった頃のシオンよりも魔力は低いがアイツにはまだ巫女の力が残っている。巫女の力が残っているときじゃないとナーガはロプトウスを押さえることなどできない。だからあの子だけは他の悪い狼どもから守ってやらなくちゃならないんだ」
テンルウの言葉はユウキにとって、少々痛かった。
要するにマイラを倒すまで告白するなと言っているようなものである。
「・・・それまで持つかな・・・俺の気持ち・・・」
などとボソッとつぶやくユウキ。
「それよりも・・・そんなことを呑気に話してる場合じゃない」
テンルウは再びシリアスモード(?)の表情に戻り、マイラを睨みつける。
「そろそろ降りてきたらどうなんだ?!ただ俺の顔を見にここに来たんじゃねぇんだろ?!!」
「そうそう、そうなのよ。この先にあるマンスター城を・・・貴方達が来る前に落としちゃおうと思ってね。」
「何・・・・・・?!」
「それに、キイナちゃんの娘が今一人で頑張っているようだし、1人VS70万っていうのも面白そうだと思わない?」
マイラが笑顔でそのことを何事もなかったように話す。
「な・・・・・・!!」
「70万だと?!!」
「・・・ライナ!!!」
カナメが妹を思い、表情が怒りに満ちる。
そして、彼は1冊の魔道書を懐から出す。それはトールハンマーの魔道書であった。




 遥かなる雲に呼ばれし聖なる雷よ我の意思に従い閃光となりて敵を滅ぼせ!! 




「・・・ヨウスケの息子ね・・・!!」
マイラはカナメの術の詠唱と印の切り方でトールハンマーの魔法だと理解した。




「唸れ、雷鳴!!トールハンマー!!!」




カナメの呼んだ雷が、マイラ目掛けて撃ち放たれる。
だが、マイラは一つも表情を変えはしなかった。
黒い羽衣をバサッと広げ、それで自らの周りを覆う。
すると、トールハンマーの雷が羽衣に吸いこまれてしまったのである。
「なっ・・・!!!」
「これくらいの雷など、わらわには効かないわ。それに、魔力も今いちね。もう少し修行を積んだようがいいわよ☆」
「そんな・・・!!」
「みんな、どいてっ!!!」
イナルナがナーガの魔道書を持ち、カナメの前に踊り出た。
ブランもイナルナの傍から決して離れようとしない。
「イナルナ!!」
「イナルナちゃんったらぁ・・・そんなに血相かえて怒らなくてもいいじゃないん☆」
「許さないわ!!私達の母上を亡き者にし、そして・・・今尚キイナの娘にまで手を下そうとする・・・・・・悪の権現は絶対に!!」
皆の前に立ちはだかり、ナーガの書を構えてイナルナはナーガを唱え出す。
「イナルナ・・・お前のナーガ・・・どれほどのものか・・・試させてもらうわ・・・」
そう言ってマイラは防御体制にはいる。
イナルナはすべての魔力を魔道書に乗せて、呪文を詠唱する。




聖なる光の龍よ  我が意に従い邪悪なる闇を打ち払え!!



その言葉が終わると、イナルナは全身から魔力を放ち、その魔力は竜の姿に変わる。
だが、マイラの表情には焦りなどは見えなかった。
「駄目だ・・・あれじゃあ・・・」
テンルウの呟きを耳に入れるショウ。
「テンルウ様・・・まさか・・・」
ショウが再びマイラの方に目をやる。
そこには余裕の表情をし、光の竜の攻撃を食い止めた彼女がいた。
「イナルナ、貴方の魔力ってこんなもんなのぉ?はっきり言ってかなりガッカリしたわ。修行が足りないわよ、修行が!」
マイラがそうイナルナに告げると、衣を思いきり薙いだ。
その時に生じた風が衝撃波のようなものに変わる。
「きゃああっ!!」
その風はイナルナ軍全員に襲いかかり、テンルウとユウキ以外、全員が地に伏した。
イナルナが身体を起こし、上空を見つめた時、すでにマイラの姿は見当たらなかった。


せっかく楽しみにしていたのに、その程度の力しか持ち合わせていなかったなんてかなりガッカリだわ。わらわはグランビアで待っているわ。それまでにもっと強くなってもらわないと、こっちとしても張り合いがないわ。次に会う日を楽しみにしてるわよ


マイラはその言葉を残し、マンスターの地を去っていった。
しかし、その先には人の悲鳴と剣の触れ合う音と血の匂いが風に乗ってイナルナの元に来る。
「いけない、ライナ王女が・・・・・・!!」
「ちくしょう・・・・・・ライナ!!!」
カナメは血相を変えて、マンスター城の方へ向かって全速力で走り出した。
「イナルナ、俺達もいくぞ。大丈夫か?」
オグマに言われると、イナルナは大きく頷いた。




丁度、その頃。
ライナと天馬騎士フィリアはマイラがよこした70万のグランビア兵と応戦していた。
「ライナ様、数が多すぎます!無理は禁物ですよ!!」
「何を言うの、フィリア!心に正義の炎が燃え盛っていれば、必ず正義は勝つんです!!マイラの部隊に正義の鉄槌を下すのよ!!」
英雄伝承が好きそうなライナが、そう言うとその背景には赤々と燃え盛る炎が舞い上がる。
<ライナ様のこの性格・・・本当に誰に似たんでしょうか・・・キイナ様は平和主義者だというのに・・・>
そう思いつつ、フィリアが少し後方を見ると、見慣れた天馬騎士が2人がフィリアの方に来る。
「姉さん、それにフィアナ!!」
それはキイナと一緒にいた天馬騎士フィオレとカナメと一緒にイナルナ軍に入ったフィアナだった。
「フィリア、助太刀に来たわ!!」
「キイナ様やカナメ様も今こっちに向かってるわ!!」
「なら・・・久しぶりにアレで攻めていきましょうか?」
フィリアの言葉に2人は大きく頷く。
「見せてあげるわ。私達、3姉妹の必殺奥義を!!!」
3人の言葉が同調し、その動きも同調しはじめる。そしてそのまま敵兵の渦へと突っ込んでいった。
その隊形は逆三角形のようだった。
そして3人は敵兵に向かって急降下を始めた。槍が太陽の光で煌きを見せる。




『トライアングル・アターック!!!』




3人の声が同調し、3人で一人の敵兵に槍を突き刺す。
その敵は一撃で息絶える。
さらに、ライナが魔道書を掲げ、呪文の詠唱にはいる。




悠久の風よ 我が手に集い力となれ   フォルセティ!!




ライナの言葉と共に、緑の風が刃になり、グランビア軍を包みこみ、切り裂いていく。
だが、ライナの後ろにグランビア軍の一人が潜んでいた。
ライナがそれに気づいた時、敵は既に剣を振り上げていた。
剣が振り下ろされた瞬間、ライナはもう駄目だと一瞬でもそう思った。
「エルサンダー!!!」
その時、カナメが間一髪で、剣を振り上げた兵を標的にエルサンダーを放つ。
剣を振り上げた状態で雷が落ちることコレすなわち避雷針の役目を果たす。
カナメの攻撃を直撃した兵は黒く焦げながらその場に倒れこんだ。
「ライナ、大丈夫か?!!」
「あ、兄上!お久しぶり~☆」
死にそうになっていたのに、呑気な顔で手を振ってにこやかに笑うライナを見てカナメは肩を落とす。
「あのなぁ・・・・・・お前は少し危機感を持てよ!!」
カナメがライナの耳元で大きく怒鳴りつける。
「兄上、あんまり怒ると血圧上がるよ?」
「お前が怒らせてるんだろ・・・?結局母上探し出せなかったくせに・・・」
「兄上、母上に会えたの?」
「あぁ、今俺はイナルナ様の解放軍に身を置いてる。母上はイナルナ様の軍師を勤めてる」
その言葉を聞いて、ライナはホッとした表情になる。
「実はね、兄上。ここに着く前に私ユグドラシル帝国の様子を見てきたんだけど・・・父上の情報を手に入れてね」
「父上の?」
「うん。思った通り・・・父上、マイラにケンカ売って殺されちゃったみたいなんだ」
「そうか・・・父上はこの世にはやっぱり・・・」
「ただね、少し疑問が出てきたの。マイラの12神将のことなんだけど・・・その時にはまだ5人しかいなかったみたいなんだ」
ライナの言葉を聞いてカナメが少し思い当たったような表情になる。
「それって・・・」
「・・・確信は持てないんだけどね。でも、センティアで噂になったこと、まんざら嘘じゃないかも」
「そうか・・・それより、ライナ。母上もいるんだ。お前もイナルナ様の軍に腰を降ろさないか?」
「もちろん、そのつもりよ。さっきのマイラとの応戦見てたけど・・・ちょっと気になったことがあったから彼女に伝えようと思うこともあるし」
そう言うと、ライナはカナメと共にイナルナ達のもとにへと向かった。




「カナメ、急に走り出すからビックリしたわ。あまり単独行動はしないようにね・・・?」
イナルナがカナメが帰ってくるとすぐに、心配そうな顔をして彼にそう告げる。どうやら、気が気でなかったようでもあったようだ。
ユウキが後ろで面白くなさそうな顔をしていた。
「貴方がイナルナ皇女ね。私はセンティアの第1王女、ライナと言います。よろしく」
「えぇ、キイナから話を聞いているわ。英雄伝承が好きなんですってね」
「もちろんよ!悪は正義の前に勝つ事は出来ない!!悪は正義の前に滅び去るものなのよ!!そして私はその正義を貫いて見せるわ!!」
その言葉を聞いて、イナルナの後ろにいたユウキは複雑な表情をし、オグマは飽きれた顔をしていた。
ユウキもオグマもあまり英雄伝承というのは好きではないらしい。
イナルナは少し笑っていた。
「それより、イナルナ皇女。貴方、自分の力を出しきれていないようね」
ライナにそう言われ、イナルナはきょとんとした表情になる。
「まぁ、私は父親も母親も魔道士だから基本的には魔力が高いほうなんだけど・・・それに比べて貴方は剣士と魔道士の中に生まれてる。その分魔力の成長が遅くなってるみたいね。」
「おい、それじゃイナルナが弱いって言ってるようなもんじゃないか!!」
「あのくらいのナーガなら、私でも防げるわ」
オグマの言葉にライナはさらっとそう言い放つ。
「今のイナルナ皇女には修行が必要よ。もちろん、ただの修行じゃない。彼女には神官としての道を歩んでもらう必要性がある。」
「待って、私は神官になるつもりなんてないわ。私は母のような聖女に・・・」
「それは無理よ。イナルナ皇女、貴方はシオン王女のように正式な巫女の修行をしていない・・・」
ライナの言葉にイナルナは反論できなかった。
ライナの言葉に偽りはなかった。イナルナはウイングロードにこもりきりで正式に修道院に入り、修行をしたわけじゃなかった。
そこらへんは、流石のショウも修道院に入れるか入れないか悩んだ末に決めた事であった。
「でも、神官は剣の修行も・・・」
「剣の扱いなら、貴方のお兄さんやテンルウ王がいるでしょ?その辺は問題ないわ。ただ魔力の扱いは母上にしてもらったほうがいいわね。私もなるべく協力するわ」
「ショウ・・・どうやら、選択を間違ったみたいね」
キイナにそう言われてしまい、ショウは肩を落とし申し訳なさそうな表情になる。
「そうみたいですね・・・すみません・・・ルカがいたので問題ないとは思ったんですが・・・まさか魔力成長の妨げになってしまったとは・・・」
「ヘイムの家系の人間はその魔力を伸ばすために2~3年は最低でも修行することになってるからね・・・」
「魔法防御の方は問題なく育ってるみたい。マンスターに巫女修行の修道院がまだ一つだけ残ってるの。3日間、マンスターで修行してみたらどうかな?少しはマシになると思うよ」
「でも一刻も早くトラキアに入らなきゃ・・・」
イナルナはユウキの方を気にしながらそう呟く。
今、ユウキの母親であるユーリがいつ死ぬかわからない状態に陥っているからだ。
イナルナとしては、死ぬ目に1度ユーリと会っておきたいと思っている。
「イナルナ、俺のことは気にするな。お前の命も掛かってるんだ。修行にいってこいよ」
ユウキのその言葉がイナルナの言葉に拍車をかける。
そして、イナルナはライナと共に3日間、修道院で修行し、神官の称号を経たのだった。




作者:はい、久しぶりの本編新作です。
イナルナ:ホント、遅すぎですわ。
作者:しかたあるまい?忙しいんだもん・・・
オグマ:まぁ、それはいいんだがな、やっぱり終わり方は手を抜いてるよな
ユウキ:いつものことだ・・・放っておけ
作者:そいではまた次回~♪