ユグドラシル聖戦記 外伝5

ナイトマンピンクにバレンタインの為にこしらえたチョコレートに「ホレちゃい草」の根のエキスを入れられ、うっかりいつものくせで毒味をしてしまったシオン。

その効果は絶大。

その後に逢ってしまったコウヘイにすっかり惚れてしまってあら大変。

しかも、テンルウに「大嫌い」とまで言う始末。

このままでは夫婦生活にピリオドが打たれてしまう可能性も?!

それはまずいと思い、テンルウとコウヘイは心当たりのある「この世でそんな馬鹿なことをするヤツら」を探しに出かけた………。




チョコの香りは危険な香り?後編




ナイトマン達はナディア城近くの小屋でひっそりとその実を隠していた。

「ちょっと!!なんなのよ?!シオン王女がトラキアの馬鹿王子に惚れちゃったじゃないの!!!」

ピンクは「そんな話聞いてねぇぞ?!」と言わんばかりにレッドに言った。

「あれ?教えてなかったっけ?「ホレちゃい草」が手に入ったから、これ使ってシオン王女を俺にホレさせてあいつ等メチャクチャにするっていう話……」

「そんなこと考えてたの?!あんたはぁぁ!!!」

ピンクの怒りがレッドに向けられる。

「だって………それ意外に良い方法考えつかなかったんだもん………」

「それは表向きで本当はシオン王女を自分のものにしたかったんだよね~」

「あのね………」

ピンクは頭を抱える。

「シオン王女はアレでなかなかの美人だし、ピンクみたいにまな板じゃないし、おしとやかですばらしい逸材じゃないか!!あんなアリストの馬鹿丸出しの王子にはもったいない!!!」

レッドはそう力説した。

「ちょっと!!!まな板って何よ!!まな板って!!!」

「お前の胸」




バキッ!!!




ピンクの怒りの鉄拳がレッドに炸裂する。

「な………何をする……ピンク………」

「もう知らない!!!私、ナイトマン抜けるわ……」

「なっ………我々を裏切るきか?!」

「あのね、前から言いたかったんだけど、あの全身タイツはもうこりごりなのよ!!!私はごく普通の女の子に戻る!!!」

「戻れるのかよ…………?」

「とりあえず、貴方がたとはこれでおしまい!!さよなら!!」

ピンクはそのままその小屋から去っていった。




「ピンクがいなくなったから新しいファイティングポーズを考えねば……」

「そんなことしてる場合なの?」




その頃のテンルウ達は………

「おい、やったヤツらに見当がついていても居場所がわからなかったら意味ないんじゃないのか?」

「…………そうだった………」

「お前………真面目に考えてる?お前の王女のことだろ?!」

「考えてるんだけど………まだ混乱してるんだよね………」

「………………」

テンルウとコウヘイは完全に打つ手がなかった。

「なんだったら、あいつ等の居場所教えてやるよ」

窓から女の声が聞こえた。

「お………お前はぁ!!!」

そこにいたのは………

「誰だお前……?」




ガクッ




女は思いっきりずっこけた。

「そっか……素顔を見せたことないもんね……あたしはあのナイトマンのピンクだよ」

「…………………仮面取ったらなかなか可愛いじゃねえか………」

「あいつ等とはもう縁を切った。あいつ等にぎり伊達するつもりは一切ない。王女のあの様子はたしかにナイトマンの仕業さ。レッドはどうやら王女を自分のものにしたかったみたいだけど………」

「なにぃ?!!」

テンルウとコウヘイの声がハモる。

「王女の何処が良いんだ?」

「ちょっと待て、コウヘイ。それはどう言う意味だよ……!!!」

「あ………」

ピンクは呆れ顔でこう言った。

「あのさ………話すすめていいかい……?」

「あ。どうぞ………」

「「ホレちゃい草」の効果を消す方法はどうやらレッドが知ってるみたいだよ」

「お前は知らないのか?」

コウヘイがピンクに聞き返した。

「知ってるわけないよ。薬草とかそういった類はレッドの得意分野なんだ。なんせ薬品おたくだからね………」

しみじみした顔をしてピンクは言った。

「なら、あいつ等の居場所を教えろ!!ナイトマンピンク!!」

「だから!!あたしはもうナイトマンは抜けたの!!あたしにはちゃんと「エリザベート」って言う名前があるんだ!!!」

エリザベートは少し怒りながら言う。

「そんな名前があったのか………」

「とにかく、教えて欲しいんだろ?」

「ああ」

「ナディア城の近くに小さな小屋がある。そこに行けばわかるよ」




エリザベートに言われた通りの場所に確かに小屋があった。

テンルウとコウヘイは忍び寄って誰かいるかを確認した。

すると………

「違う!!ここのポーズはこうするんだ!!」

「レッド……疲れたよ………」

「腰が………」

という声が聞こえてきた。

「確かにあいつの言った通りだったな」

「やっと自分が馬鹿なことやってるって気がついたんじゃねえか?」

「まぁ……それはいい………」

「とりあえず………………」

テンルウとコウヘイは顔を見合わせて頷いた。




「強行突破あるのみ!!!!」




テンルウは小屋のドアを蹴破った。

「こらぁ!てめえらぁ!!!」

テンルウは怒りに満ちた声でいきなりそう言った。

「げ……アリストの王子………!!!」

「何故ここが………!!!!」

「あのなぁ………こんなに城とここの場所が目と鼻の先にあれば誰だって不審に思うわぁ!!」

コウヘイも怒りに満ちた声をあげる。

「てめぇ…………シオンをもとに戻せ………さもないと…………」

「さもないと…………なんだ?!」

レッドは強気になってテンルウに聞いた。

「生きたままその身体………バラバラに切り刻んでナディア湾に沈めてやる」

「ひえぇぇぇ~~~~~~~~~~」

「あるいはグングニルのくし刺しで狼に食わすとか………」

コウヘイもテンルウも目がまじになっている。

「いいます!!元に戻す方法言いますからそれだけは勘弁してください~!!!」

レッドは土下座をしてそう言った。

「早く言え………俺は気が短いんだ……」

テンルウはバルムンクを鞘から抜いてレッドの目の前に突き刺した。

「この「浮気草の露」っていう薬を飲ませれば元に戻りますぅ!!」

「なんだよそのネームは………」

「ほう………これでもとに戻らなかったら…………どうなるかわかってんな?」

「ひぃいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

そして事もあろうにテンルウはレッドにある交渉を持ちかけた。

「お前………「ホレちゃい草」の実……持ってるか?」

「え?持ってますけど………」

「それを俺によこせ」

その言葉を聞いてコウヘイはテンルウを見た。

「テンルウ…………お前まさか………………」

コウヘイの頭に嫌な予感がよぎる。

「何も言わずによこせ」

「お前………そこまでして王女と…………」

「何か文句あるのか?!コウヘイ………」

コウヘイは「今一番ぶちのめさなくちゃならないのはコイツだ!!コイツは止めなくちゃならない存在だ!!!」とテンルウを見て思った。

けれど、何されるかわからないのであえてそんなことはしないコウヘイである。

「王女………さらば…………」

思わずそんな言葉が出てしまうコウヘイであった。挙句の果てに胸のところで十字も切っている。








「王女、俺とお茶しないか?」

コウヘイはティーセットを持ってシオンのところにやってきた。

「まぁ、コウヘイ様が私を誘ってくださるなんて………光栄ですわ★」

シオンはご苦情の笑顔で感激する。

「たまにはこう言うのもいいだろ?」

「ええ★やっぱりコウヘイ様は私の思っていた通りの方ですわ★」

「そうか?まあいいや………じゃ、飲もうぜ王女」

「はい★」

もちろんその紅茶には先ほどレッドから貰った(正確には奪った)「浮気草の露」が入っている………

シオンがその紅茶を口にした。

コウヘイは飲んだフリをしてその様子を見た。

「………………………」

シオンはただ黙って紅茶を飲み干した。

身体から何かが抜け落ちていくような感覚がシオンを襲う。

「あら?コウヘイ様………何してるんですの?」

「王女………」

「コウヘイ様、テンルウ様は?」

「王女…………お前が一番好きな人って誰?」

「そんなわかりきった事言わないで下さい。テンルウ様に決まってるじゃありませんか」

「よかった!!もとに戻った!!!」

その言葉を聞いてシオンは疑問に思った。

「?」

シオンはさっきの騒動の記憶が全くなかったのである。

疑問がシオンの頭をずっとぐるぐる回っていた。

「シオン!!!」

テンルウがその様子を見ていたらしく、元に戻ったことを知るとシオンに抱きついた。

「テンルウ様?どうかなさりましたの?」

「なんでもないよ★」

「変なテンルウ様…………」

そう言いつつ心ではすごく嬉しかったシオンである。

そしてコウヘイにはこの先シオンに起こる事を思いっきり予想していたのである。

<テンルウ………絶対あの時の「大嫌い」の仕返しをするつもりだ……>









そして、その夜……………

珍しくテンルウが夜に紅茶を飲みたいとシオンに言ってきた。

シオンはテンルウの為に特製のハーブティーを用意した。

チョコレートが渡せなかったからという理由もかねている。

そんなシオンの思いやりとは裏腹にテンルウはあることを企んでいた。

シオンが持ってきた紅茶に隙を見て、レッドから奪ったあの実を密かに入れたのだった。

実はこの実………………

とんでもない効果があるのである。

シオンは何も知らずにそれを飲んだ。




カチャ~ン…………




シオンの手からティーカップが落ち、床に転がった。

シオンはテーブルの上にふしている。

「テ………テンルウ様………紅茶に何か入れましたね………?」

そのことにすぐ気付くシオン。

シオンの体を襲う熱は身体中に広がって、

思う通りに体が動かなかった。

「どうした?シオン。顔が真っ赤だぞ?」

わざとらしくそんな事をいけしゃあしゃあと抜かすテンルウ。

「う……………」

頭がボーっとしてきてる上に目の前がぼやけてくる。

息遣いも荒くなってくる・

「今日、俺に対して「大嫌い」って言ったお返し」

不適な笑みを浮かべるテンルウ。その笑みでシオンはテンルウが何を考えてるのか想像できた。

「そ………そんなこと………言った覚え…………」

その言葉を待たずにテンルウはシオンの身体を抱き上げ、ベッドに押し倒す。

「きゃあ!!」

シオンは思わず声をあげる。

テンルウはシオンの両腕をしっかりと握って離さない。

「今夜は容赦しないぞ?シオン………1秒たりとも寝かさないからな!!」

「……………………」

「それと、今日はたっぷり奉仕してもらうから、そのつもりでいろよ」

シオンはその言葉を聞いて完全に諦めてしまった。

人間諦めも肝心である…………








コウヘイはその頃大きなため息をついた。

「どうしたの?ため息なんてついて………そんなに疲れた?」

ユーリがコウヘイを気遣った。

「いや………そうじゃなくて………」

「何?」

「王女…………今ごろテンルウに…………」

「?」

そのコウヘイの言葉の意味がわからないユーリ。

いや………コウヘイにもわからないだろう………








作者:なんかいやな終わり方になっちゃった………

テンルウ:ここであったが百年目!!死ね作者ぁ!!

作者:うわ!!いきなりバルムンクを振り下ろすなぁ!!!

コウヘイ:俺はテンルウの気持ちがわからない………

作者:おい、大丈夫か?コウヘイ………

コウヘイ:いや………わかるやつがおかしいんだ……

テンルウ:おい………それどう言う意味だよ?!!

コウヘイ:どう言うって………薬まで盛って王女とヤりたいのかお前は!!

テンルウ:うん

作者:…………即答だったよ………

コウヘイ:聞いた俺が馬鹿だった………

作者:もともと馬鹿だけどね

コウヘイ:…………動く必要など………ない!!

作者:ぎゃああああああああああグングニルはいたいよぉぉぉ……

作者はくし刺しになった。

作者:バタッm(_ _)m

テンルウ:しまった……遅れを取った………

シオン:ね…………眠い…………腰が痛い…………

コウヘイ:王女………大丈夫か?

シオン:……………(泣)

コウヘイ:夜通しだったな?この王女の様子を見ると………

シオン:精力絶倫……………身が持たないわ………

テンルウ:ニヤリ……(実はまだあの実を持っていたりする)

シオン:……………私…………寝る………

テンルウ:今日も盛るかな?これ………かなり効くし……

コウヘイ:お前………実は悪魔の生まれ変わりだろ?

テンルウ:バレた?(嘘)

コウヘイ:今日はよせって………流石の俺も王女に同情する……