異法人の夜-Foreigners night-

-Border Breaks-
断章「遥の日記III」
 5月1日/木曜日/晴れ
 今日は、

 5月2日/金曜日/晴れ
 またこの日記を書けることを、とても嬉しく思う。
 私はダメなのだろう。何もできないどころか、迷惑ばかりかけてしまう。
 そんな私でも、ここにいていいと、梢君は言ってくれた。
 本当に、ありがとう。
 今はこんな言葉を送ることしかできないけど、いつか必ず恩返しをしたい。
 もう迷惑をかけてばかりでいるつもりはない。私はここにいるために、できることをする。
 ここにいたいから。ここは本当に優しい場所だから。
 吉崎君にも、悪いことをしてしまった。でも謝ろうとしたら、逆に謝られてしまった。二人で謝りあって、そのことがちょっとだけおかしくて、笑いあった。
 美緒ちゃんは私が戻ると、優しく出迎えてくれた。本当なら「出て行け」と言われてもおかしくないのに。美緒ちゃんの優しさに、少し涙が出る。
 榊原さんは、何も言わず、頭をなでてくれた。ちょっと痛かったけど、嬉しかった。
 このことは、ずっと忘れたくないから、こうして書いておきたいと思った。
 でも人に見られるのはすごく恥ずかしい。
 だから、今日からこの日記は私だけの秘密ということにしようと思う。
 ――――私は今、きっと幸せなのだと思う。