異法人の夜-Foreigners night-

-Border Breaks-
余談「遥の日記IV」
 8月15日/日曜日/晴れ
 今日は皆で夏祭りに行ってきた。
 家にいる皆と、涼子ちゃんと、藤田君や斎藤君。
 それと何人か、梢君たちの友達にも会うことが出来た。
 しっかりした女の子、斎藤君と喧嘩してた女の子、美緒ちゃんと同じくらい明るい女の子。
 三人とも梢君たちのクラスメートらしい。羨ましいな。

 祭りはとても賑やかで、見たこともないものが沢山売っていた。
 あれは屋台だ、と榊原さんが教えてくれた。

 涼子ちゃんと二人で金魚すくいをやった。
 皆に色々アドバイスをしてもらい、十回目でどうにか取ることが出来た。
 金魚は家で飼っていいって言ってもらえたけど、なんて名前にするかはまだ決めてない。
 明日、皆に相談してみようと思う。

 久坂君とは射的をやった。
 私は全然駄目だったけど、久坂君はどんどん当てていた。
 やり過ぎだって涼子ちゃんに止められてたっけ。

 わたあめというのを食べた。
 甘くて美味しかったんだけど、顔がべとべと。
 上手く食べるコツでもあるのかな。今度誰かに聞いてみよう。

 美緒ちゃんと一緒にお面を買ってもらった。
 私は角が二つ生えた、白っぽくて口元が出てる面。
 美緒ちゃんは蝶々みたいなお面だった。
 二人ではしゃいで遊んでたら、榊原さんに注意された。

 その後、迷子になった。
 気づいたら誰もいなくて、不安になって皆の名前を呼んだ。
 そしたら梢君が来てくれた。思いっきり怒られたけど、なんだか嬉しかった。

 最後に皆で花火を見た。
 前に家の庭で見たのとは比べ物にならないくらい、大きな花火。
 とても綺麗だった。

 帰り道。
 家に向かう皆の姿を見ていると、なんだかとてもあったかい気持ちになった。
 そのことを梢君に話したら、笑いながら頭を撫でられた。

 それはな。お前が今、幸せなんだってことの証拠だと思うぞ。

 そんな風に言ってもらえたんだと思う。
 頭が少しぼやっとしてたから、正確な言葉は思い出せないけど。

 私は今、何かに怯えずに生きていられる。
 自分でやりたいことを選ぶことが出来る。
 そして、私とは違うけれど、私と一緒にいてくれる人たちがいる。
 そのことが、とても幸せだ。

 私はこれからもこの日記を書いていくだろう。
 毎日の中にある幸せを忘れないためにも。
 皆と一緒に過ごした日々があったことを、書き続けていきたいと思う。

 今日から明日へ、もうすぐ時間が変わる。

 どうか、明日も楽しい一日でありますように――――。