特殊能力
悪夢の千年竜 (アジ・ダハーカ) 【能力】
ザッハークの異法。
魔力を自在に変化させる力。
変化というのは形だけではなく、性質の変化も含む。

本来魔力というのは本来の持ち主によって性質が微妙に異なる。
そのため他人の魔力を奪ってもまともに使えないのだが、ザッハークはこの力を使って略奪した魔力を使いこなすことが出来る。

魔力を武器や魔獣に変化させることも可能。
近距離戦の際は槍や針、義足義腕などを作り出して戦った。
魔獣は自立行動型。ザッハークが大まかな命令を出せば、魔獣は目的達成のために自ら動く。ただし思考力はあまり高くない。

本来個人が一度に溜めておける魔力量には限界があるが、ザッハークはこの力で自身の外側に保管しているため、無限に溜めることが可能。
ただし魔力を一ヶ所に集中させすぎると存在感が否応なく増してしまうため、どうしても目立ってしまうという欠点がある。


連鎖する衝撃 (インパルス・チェイン) 【能力】
矢崎刃の切り札。
あらゆる衝撃が何十倍にもなる上に連鎖し続けるというドームで敵を覆い込む、鬼のような技。
発動条件は起点となる衝撃を発生させること。
その直後に敵をドームで覆い込めば、狭い空間の中で連鎖し続ける衝撃波が敵を襲うことになるのである。
余程の防御力がなければまず耐えられない大技だが、その分消耗が激しく、一度使えばほとんどの魔力を失ってしまう。


衝撃地帯 (インパルス・フィールド) 【能力】
矢崎刃の異法。
衝撃を増減させることが出来る能力。衝撃を発生させる能力ではないので注意。

効果範囲は自分の周囲数メートル。
遠距離戦には向かないが、近距離の打撃戦なら絶大な効果を発揮する。
衝撃増幅と衝撃緩和を同時に行うことは出来ない。
そこを梢に見破られて手痛い反撃を喰らってしまった。

『撃滅の一撃(ディストラクション・ブロウ)』、『連鎖する衝撃(インパルス・チェイン)』という派生技がある。


不可視の引き手 (インビシブル・プレッシャー) 【能力】
柿澤源次郎の異法。
引力を意のままに操る力。

柿澤はかなり細かくコントロール出来るらしく、この力で動きを封じられた涼子や霧島は指一本動かせなくなっていた。
また、コントロールだけでなくパワーも凄まじいものがある。
森の木を次々と薙ぎ倒したり、全解放状態の零次を引き戻したりすることが可能。
他にも、自身に用いることで空中浮遊や高速移動なども出来る。
文字通り見えないため回避も難しい、作中屈指の強力な異法である。


翠玉の篭手 (エメラルド・ガントレット) 【能力】
梢のメイン武装。赤根甲子郎戦で初めて使用。

エメラルドの輝きを放つ金属状の篭手で、肘の辺りから掌までを覆っている。
植物の属性を持っているため、炎には滅法弱い。
篭手なので防御にも使えるし、打撃武器として使うことも出来る。
赤根戦以降、梢は主にこの武装で戦った。

なお、これは梢の魔力によって構成されているため、魔力の性質を打ち消してしまう「魔を払う光の大樹(ヘイムダル・グリーン)」と併用することは出来ない。
最終決戦時にやったような、右手はヘイムダル・グリーン、左手はエメラルド・ガントレットといったことなら可能。
ただしその場合でも、迂闊に右手が左手に触れた場合、あっという間にエメラルド・ガントレットは崩れ去ってしまう。

しかし言いにくい名前である。
この点、少し後悔。


草の創生 (グラス・クリエイション) 【能力】
倉凪梢の異法。
魔力で構成された架空の植物を生み出す力。
この能力によって生み出される植物は本物のことではなく、植物の属性を持つもの全般。
そのため形や大きさは梢が自在に変えることが出来る。
ただし本来在るべき植物からかけ離れていくと、生み出すための消費魔力、難易度などが上昇していく。

これ自体はあまり戦闘向けの力ではないが、割と幅広く応用を利かせることが出来る。
植物属性を持っているため、炎の攻撃には非常に弱い。

「翠玉の篭手(エメラルド・ガントレット)」はこの力の応用。


影なる天使 (セラフィック・シャドウ) 【能力】
久坂零次の異法。
自身の内に封じられた悪魔の力を利用する。
零次は解放する箇所の名前ばかり言っているので、この名は作中ほとんど使われていない。

腕部分は強靭なパワーを誇る攻撃用。
脚部分は凄まじい脚力で高速移動を可能とし、更に攻撃にも使うことが出来る。
胴部分は戦車以上の防御力を誇る防御用。
頭部は遠くまで見渡せる千里眼と、恐ろしく精密な聴覚を有する補助タイプ。
翼部分は風を発し、その力で攻撃をしたり、空を駆けることが出来る。

上手く使い分ければ非常に強力な万能型能力。
ただし制御が難しく、あまり多くの箇所を解放し過ぎると悪魔に意識を乗っ取られ、暴走状態になる。
そのことが、零次にとって忘れられない悲劇の原因となってしまった。

ちなみに第一部とborder breaksでは解放時の台詞が異なっている。
第一部の「腕(カイナ)」に対し、border breaksでは「arm」。
なぜ変わったのかは、作者もよく分かっていない。


双魔爪 (そうまそう) 【能力】
赤根甲子郎の異法。
己の爪を変幻自在に操る力。

切れ味はそこそこだが自在に形を変えられるので、色々と応用可能。
例えば赤根は本編中、自分の爪先に盗聴器をつけて敵の部屋まで爪を伸ばし、相手の話を盗み聞きしている。
「爪魔刀」、「無限爪舞」という派生技がある。

リメイクされた際、ほとんどの異法が横文字の名前になったが、これだけ変化なし。
上手い名前が思いつかなかったのが大きな理由。

余談。
この用語集を作っている途中、この力の名前が「双魔爪」なのか「相魔爪」なのかどうしても思い出せず、わざわざサイト内検索システムを導入してまで確認。
結果————両方使ってました。
……なので、ここで「双魔爪」が正式名称であることを宣誓したいと思います。
もう使う機会ほとんどないような気がしますが。


爪魔刀 (そうまとう) 【能力】
双魔爪の応用技。
五つの爪を収束させて刀の形にすることで、硬度や切れ味を上昇させる。

自分で考えておいてなんだけど、紛らわしい名前だなぁ。


撃滅の一撃 (ディストラクション・ブロウ) 【能力】
矢崎刃の必殺技。
拳に魔力を集中させ、衝撃増加の効果を極限まで高めた状態で攻撃する。

冗談抜きの必殺技。
まともに喰らえば、全解放状態の零次だろうとザッハークだろうとまず助からない。
その威力は榊原家の庭に大きなクレーターが出来る程。
最終決戦の際、刃はこの技で三頭の大蛇のうち一頭を討ち滅ぼした。

極めて高威力な分、弱点もある。
一つは、この技を放つ瞬間は攻撃に集中するため、防御がおろそかになってしまうということ。
もう一つは、モーションが大きいため相手に避けられやすいということ。
故に、相手が素早く動くタイプの場合は使い道があまりない。
当てられるという自信がないときは極力使わない方が無難な技である。


五金万象 (ハンディ・メタル) 【能力】
矢崎亨の異法。
五金(金・銀・銅・鉄・錫)を自在に操る力。

球体にして遠隔戦も可能、武器に変化させて近距離戦も可能と、バランスのいい力。
亨本人との相性が性能に影響している。擬態化、強化、操作が可能。
具現化した金属ではなく、亨が常に持ち歩いている実際の金属を使っている。
実物の金属がなければ使えないが、その分能力行使に必要な魔力量は少ない。

各金属の特徴は以下の通り。

金(黄金)/擬態化しやすく、操作しにくい。主に近距離で扱う武具に擬態化させている。
銀(白金)/強化しやすく、擬態化しにくい。戦いの最中に使う場合は単純な武器に擬態化させて使う。
銅(赤金)/擬態化、操作性が抜群。ただし強化しにくい。
鉄(黒金)/強化、擬態化、操作ともにバランスが取れている。亨がもっとも好んで使う。
錫(青金)/操作しやすく、強化しにくい。戦闘ではあまり有用ではないため、ほとんど使われることはない。


奇形 (フリーク) 【能力】
牧島裕一の能力。
また、彼自身のことを指して使われることもある。
キャラクターとしてのフリークは「牧島裕一」の項参照。

自身の身体を変幻自在に変化させる力。
手足を伸長させたり、別人に化けたりすることが可能。
また、どれだけダメージを負おうとも即座に回復する。
その回復力は尋常ではなく、刃の攻撃で粉塵と化した状態からも復活してのけた。

……というのは表向き。
実際は相手に幻覚を見せる魔術と、身体をある程度変化させることが出来る力の複合能力。

幻覚魔術は非常に強く、恒久的に効果が続くタイプ。
その性質は「誰も牧島を正確に認識出来ない」というもの。
相手が幻覚の牧島に意識を向けている間に、脇から本物が相手を攻撃するのが基本戦法。
幻覚は自動で生成され勝手に形状変化・動作を行うため、牧島自身は自由にすることが出来ない。
また、幻覚と本物は数メートル程度しか距離を置くことが出来ない。
他にもいくつか制約があるらしいが、詳しいことは不明。
強力な分魔力消費量が凄まじいため、普通の者がこの力を使えば数分しか効果が続かない。
牧島がこの力の被験体になったのは、彼の魔力生成力が桁外れだったからである。

攻撃は身体変化の力で手足を硬化・変形させて行っている。
この身体変化能力は、幻覚がやっている程変幻自在に好き勝手出来るレベルではない。
強化人間技術の応用で、身体の一部が形状変化しやすいよう改造されているだけ。

とにかくややこしく把握しにくい能力。
ある意味「奇形(フリーク)」の名に相応しいと言えなくもない。
しかし、もう少し分かりやすい力に出来なかったものだろうか……(反省)。


魔を払う光の大樹 (ヘイムダル・グリーン) 【能力】
梢の義腕に内包された力。魔術に分類される。
幸町がヴィリの「幻想焼却(マジック・ヴェイパー)」を参考にして作り上げた。

梢の意志に応じて、魔力の性質を無にする光を放つ力。
性質を失った魔力は抵抗力が零となり、簡単な攻撃で霧散するようになってしまう。

魔力によって構成されたものを討ち滅ぼすことに特化した能力。
ただ、魔力によって引き起こされた現象に対してはあまり役に立たない。

魔力そのものを使って戦うザッハークにとっては、天敵と言える能力である。
逆に言えば、ザッハークのような相手以外には多少厄介な程度。

また、梢がこの力を使うと、自分の魔力を他人に分け与えるという効果も発生する。
これは幻想による光に、植物の性質を持った梢の異法が反応して起きた現象。
幸町曰く「光合成のようなものです」。

実は名前を考えるのに苦労した能力。
これを考えるだけで半日が終了してしまった。
「翠玉の篭手(エメラルド・ガントレット)」の反省を生かし、言いやすく意味のある名前にしようと狙ったつもり。
ヘイムダルは北欧神話において光の神とされる存在。グリーンは梢のイメージカラー。
当て字は能力の性質を考慮し、それなりに読みと関わりのあるものを。
苦労して考えたので、作者としてはそれなりに愛着のある名前。


幻想焼却 (マジック・ヴェイパー) 【能力】
炎銃ヴィリが内包する魔術。
魔力や魔力で構成されたものを焼き尽くす炎の力。

ヴィリを手にし、起動詠唱を行うことで炎の竜が出現、敵の魔力を焼き尽くす。
あくまで魔力に類するものしか焼かないため、人体への直接攻撃にはならない。

その性質から、ザッハーク戦では大活躍。
最終決戦において、三頭の大蛇のうち一頭を討ち滅ぼした。

起動詠唱は以下の通り。
「神秘を焼き尽くせ、幻想を打ち砕け、夢は夢へ還せ。顕現せよ、人に創られし偽りの神。その名を晒せ————業火の魔銃!」



無限爪舞 (むげんそうぶ) 【能力】
赤根甲子郎の切り札。
細かく刻んだ無数の爪で敵を攻撃する技。
中距離もしくは遠距離攻撃として使う。

無数の刃で敵を切り刻むため、この技を避けるのは至難の業。
爪の一つ一つは切れ味が落ちているが、全方向から一斉に攻撃するので殺傷力は充分。
ただ、この技を使っている最中は赤根本人が無防備になるという欠点がある。


思い出の映像劇 (メモリアル・ムービー) 【能力】
藤村亮介の力。魔術に分類される。
触れた対象の記憶を映像化することが出来るが、音声は出ない。
相手への尋問、味方からの報告をサポートする形で使われる。

普段はある程度力が抑えられており、藤村が本気を出すと性質が変化する。
どのような性質を持つかは藤村がある程度決めることが出来る。
本編では以下のように使われた。

——藤村の周囲半径20m以内に立ち入った者相手に強制発動。
対象者の中に色濃く残る思い出が出現、同時に対象者は結界の中に閉じ込められる。
結界を越えることが出来るのは対象者、あるいは対象者と同じ思い出を共有する者のみ。
対象者が思い出に対し解答を導き出し、決別を心に思い浮かべることで結界及び思い出は消え去る。
また、この状態になると音声が付くようになる——。

零次たちの足止めを任された藤村はこのように能力を発動させた。
これには、零次に過去を乗り越えさせようという意図があったようである。

ちなみに涼子に対して「本人が覚えていない記憶は映像化出来ない」と言っていたが、これは偽り。
やろうと思えばやれるのだが、藤村は「ここで彼女の記憶を揺さぶるのはまずい」と思い、嘘をついたのだ。
この辺り、藤村は内心相当苦悩していたようである。


モルト・ヴィヴァーチェ (もると・ヴぃヴぁーちぇ) 【能力】
霧島直人の異法。
対象の速度を上昇させることが出来る力。

非常に単純かつ強力な能力。
限界というものはなく、速度はどこまでも上昇可能。
ただし無理に速度を上げ過ぎると、対象にかかる負担が増していくので危険。
この能力を使うと、周囲の動きがスローモーションに見えるようになる。

名前は音楽標語から。
しかし後になって、上遠野浩平先生の「ビートのディシプリン」の主人公、ピート・ビートの技と被っていることに気づく(本作を書く前に私はビートのディシプリンを既に読んでいた)。
狙って書いたわけではないけれど、ここまで見事に被ってるとさすがにお恥ずかしい限り。
無意識にやってしまったんだろうか……。


リンク・トゥ・ハート (りんく・とぅ・はーと) 【能力】
遥の力。魔術に分類される。
また、彼女自身のことをこう呼ぶ者もいる。
リンクと略して使われることが多い。

基本状態では、触れた対象の内面を読み取る程度の力。
少し意識して力を使えば、触れた相手と意思や魔力といった、不可視の要素を共有することが出来るようになる。
更に効果が増すと、精神的繋がりを感じやすい人(主に親しい相手)へと共有の対象が広がる。
その性質上、あまり使いすぎると自我を崩壊させてしまう恐れがある。

柿澤はこの力に目をつけ、源泉へと至る儀式を思いついた。
遥にとっては不幸の元凶とも言うべき力。
そのため彼女は、あまりこの力を好んでいない。