異法人の夜-Foreigners night-

-日常編-
3-Aカラオケ大会――3
「あ~、疲れたなぁ」
 歌い始めて数時間。
 室内の熱もピークを通り越して、少々収まってきた頃。
 梢は周囲を見渡して、そう呟いた。
「そうだね、そろそろ歌は休憩するとしようか」
 雅も手で団扇を作り、顔を扇いでいる。
 他のメンバーも似たような状態だった。
「しかし今回も最高得点は97点か。くそ……98以上は幻だな」
 そういう梢は96点が最高だった。
 遥と雅は二人揃って97点。
 藤田89点。
 斎藤と由梨はお互い競い合いながらも、76点止まり。
 沙耶は45点以上を出したことがなかった。
「うああぁっ、なんであたしだけ別次元的にレベル低いの!?」
「それは君が音痴だからだろう」
 由梨の遠慮なきツッコミに撃沈する沙耶。
 さすがに他のメンバーもフォローできない。
 本人はノリノリで歌うのだが、どうにもうまくならない。
「まぁそれはともかく。俺らは風呂行くけどお前らどうする?」
「そうだねぇ……あたしらも風呂行く?」
 雅の問いかけに、沙耶は元気よく、由梨は静かに頷いた。
 遥はというと、疲れきったのかテーブルの上でのびていた。
「う~、暑い~……」
「風呂に行く前だというのに、既にのぼせ上がってるな」
「遥ちゃん、なんかたれパンダみたいだねぇ」
 確かにたれている。
 頬が変形しているようにさえ見えた。
「遥ちゃーん、お風呂行く~?」
 沙耶が声をかけると、遥はどうにか頷いた。
「んじゃ、俺は残って荷物の番でもしてるよ。ゆっくり入ってきな」
「そうかい? 倉凪、あんたここに来るといつも遠慮してるみたいだけど……」
 雅は何かを言いかけて、途中でやめた。
 梢は学校でも、水泳の授業などには絶対に参加しないし、教師もそれを黙認している。
 その理由を、思い出したのだろう。
「……あー、んじゃ、任せるよ」
「ああ。それと遥、よろしく頼む」
「了解」
 伸びきった遥を見て、梢と雅は互いに苦笑した。
 夜はまだ長いというのに、こんな調子で大丈夫なのだろうか。
「お風呂っ、お風呂っ、楽しみだな~♪」
 狭い室内で、沙耶は上機嫌そうにクルクルと踊っていた。

「わぁ、結構広いんだね」
 湯煙が立ち込める中、遥は周囲を見渡して感嘆の声を漏らした。
 広い風呂など、彼女はこれまで見たことがないのだから当然ではある。
「榊原屋敷の風呂もこんなもんじゃないの?」
 頭にタオルを乗せながら湯船に浸かる雅。
 色っぽさと、それ以上の親父臭さを漂わせている。
「ううん、全然小さいよ」
「へぇ、あの屋敷馬鹿みたいに広いから風呂も巨大なもんかと思ってたけど」
「その考え方は少々短絡的ではないかな」
 風呂に入るときは眼鏡を外しているためか、全く印象の異なった由梨がいた。
 沙耶はというと、子供みたいに湯船の中で泳いでいる。
「あはは、ここって泳ぎ心地最高だねぇ~」
「沙耶ぁ、はしたないから泳ぐのはやめときなさいって。男子覗いてるかもしれないよ?」
「なにぃっ、それなら私は覗かれる前に覗いてやるぅ!」
 身体にタオルを巻きつけて、男湯との間にある壁をよじ登り始める。
 が、すぐに滑って落ちた。
 ごきっ、と鈍い音がする。
「だ、大丈夫?」
「放っておいても平気だ。沙耶は運動神経は鈍いが耐久性はやたらと高くてな」
「そのとーりっ! でも友人に心配されないとちょっと悲しかったりする!」
 首を少し変な方向に曲げながらも、沙耶は元気よく起き上がった。
 そのときの勢いで、首の形が正常に戻る。
「あのようにな」
 慣れた調子で解説する由梨。
 沙耶の不死身さ加減もおかしいが、由梨は由梨でマイペース過ぎる気もした。
「でも男子って、本当に覗いてくるの?」
 軽い気持ちで遥は尋ねてみた。
「ああ、覗いてくるよ。まぁ今までに成功したことなんてないんだけどね」
「そうなんだ……」
「ったく、こんなもん見てなにが面白いんだかねぇ」
「……ねぇ、梢君もそういうこと、するのかな?」
 少し気になっていたことを口にした。
 梢も男である以上、そういう行動を起こさないとも限らない。
 意外と保守的なところもあるが、勢いに乗ってしまいやすい性格である。
 周囲に扇動されてやってしまうことも、ありえないことではない。
 が、雅は苦笑して頭を振った。
「さあて。あいつ、こういう場では皆と一緒に入りたがらないからね。よく分からんわー」
「あ、そうなんだ」
 以前見た梢の身体を思い出し、声が小さくなってしまった。
 確かにあれでは、他の人と一緒に入りたいとは思わないだろう。
 遥も最初に見たときは絶句した。
「ところで遥ちゃんさぁ」
 ざばん、といきなり背後から飛び出てきた沙耶が、遥の身体をがっちりと捕まえる。
「結局倉リンとはどうなの?」
「……っ!」
 にししー、と笑う沙耶から逃れようと遥はじたばたする。
 すると意外にもあっさりと解放してもらえた。
 だが。
「その反応だとやっぱし何かあるみたいだねっ」
「ふむ、興味あるな」
「恋の相談なら聞いてやってもいいよ?」
 興味深そうな――というか面白そうな顔でにじり寄ってくる三人に、完全に囲まれていた。
「え、えーと。なんでもないよ?」
「目が泳いでるよ~、遥ちゃん」
「意外と分かりやすいな……」
 どうやら誤魔化すことは難しそうだった。
 だがこういった状況に陥ると、どうしても隠したくなってしまう。
 下手をすれば、壁の向こう側にいる梢にも聞こえてしまうのである。
 まだあちらでは騒動が治まっていないようなので、その心配はあまり必要ないものだが。
「さぁさぁ、きりきり吐いてもらおうかねー」
 止めてくれるかもしれないと期待していた雅も、尋問にノリノリのようだった。
 さすがに観念したのか、遥は大きく溜息をついて降参のポーズをした。
 ちらりと壁の方を見る。
 やがて、小さな声で、
「……嫌いじゃないよ」
「むぅ、今んとこはこれが限度か」
 顔を真っ赤にして俯いた遥を見て、沙耶や雅は包囲網を解いた。
 そろそろ気の毒になってきたのだろう。
「では、少し質問を変えようか」
 と、由梨が目をキラリと光らせながら呟いた。
「例えば――倉凪と遥。二人の出会い話など」
「出会い話?」
 少し話の矛先が逸れたことに安心したのか、遥は顔を上げた。
「そう、倉凪は誰にも語っていない。確か春先に出会ったということは聞いていたが、詳しいことまでは知らないからな」
「あー、それは」
 梢は語らないのではない。
 語れないのだ。
 梢と遥の出会いは、この日常からはかけ離れた事態の中にある。
 そんなものを迂闊に人に言えるわけがない。
 だが三人は興味津々のようだった。
 先ほどのように、答えをはっきりと求められると言いにくい。
 しかしこうして期待の視線を送られると、どうにも弱い遥だった。
「えっとね」
 具体的な内容は言えない。
 だがおおまかなことだけならどうにか言えるはずだ。
 そう思案して、遥は少しずつ言葉を口に出していった。
「私と梢君が最初に会ったのはちっちゃい頃で……でも、少ししてからは別れてたの」
「昔馴染みか。いろいろと想像可能だな……」
 なんだかコメントが気になったが、どうにか続ける。
「で、私はある施設にいたんだけど。そこが、その……結構酷いところで。ずっとここから出たいって思ってたの。春にそこから助け出してくれたのが梢君なんだ」
「……マジ?」
「まるで王子様だねぇ。そりゃ遥ちゃんも惚れるってわけだ~」
 意外そうに目をぱちくりさせる雅と、のんきなことを言う沙耶。
 由梨もニヤリと笑っていたが、その真意は遥には分からなかった。
 とりあえず続ける。
「でも梢君、実はそのとき私のこと覚えてなかったんだよ……」
「うわ、酷っ!」
「男として最悪だねっ!」
「物覚えが悪そうだとは思っていたが……」
「で、夏休み前にどうにか思い出してもらえたの」
 大まかに言った。
 今口にしたこと以外にもかなりのことがあったのだが、それは話せない。
 三人はそれで納得したのか、揃ってうんうんと頷いている。
 そして遥の肩をガシッと掴んだ。
「話は分かったよ、遥」
「微力ながら我らも、君のために力を貸そう」
「イェーイ、私たちキューピットだっ!」
 知らないうちに話が進んでいるようだった。
「……え?」
 三人の言葉を、いまいち理解していない遥だった。

 風呂上り。
 浴衣姿の一同は揃って卓球場へとやって来ていた。
 梢もカラオケルームから出てきている。
 荷物の番というのは風呂から逃げる口実に過ぎず、実際はいなくてもほとんど問題ない。
「……ん?」
 視線を感じた梢は、ちらりと後ろを見る。
 途端に、梢の後方にいた女子三人が、一斉に梢から視線を逸らした。
「なんだ、どうかしたのか?」
「いや、なんでも」
「ふーん」
 さして気にしていないのか、梢はラケット片手に台へと向き直る。
 その向こう側では藤田が意気揚々と動き回っていた。
 どうやら梢との対戦に向けての準備中らしい。
 が、梢のほうはというと覇気がいまいち感じられない。
 卓球は苦手のようだった。
「おっしゃーっ! 倉凪、今日はてめぇに勝ってやるぜっ!」
「おーう、頑張れよ」
 いかにも気だるそうだった。
 そんな男二人を背景に、女子三人の雑談は続く。
「しかし、どうやって倉凪に遥のことを気づかせるのだ?」
「倉リン鈍そうだから、なんか難しそうだよねぇ」
「……実は以前、下級生から相談されたことがあるんだけどさ」
 雅が牛乳を飲みながら、梢の方をちらりと見た。
「なにを?」
「ん、ああ。倉凪に告白する方法ってないかなーって」
「えぇっ!? 倉リンそんな浮いた話あったの?」
「下級生には人気高いんだよ。面倒見いいし、一見怖そうだけど親身になって付き合ってくれるとこあるし」
「うわ、意外な事実」
 梢は恋愛沙汰とはまるで縁がない。
 告白されたことなどあるはずもなく、どこまでも良き友人止まりだろう。
 というのが、クラスメートから見た梢の評価だった。
 だが年下からすると、そうでもないのだろう。
「ちなみに三回相談された」
「さ、三回も!?」
「ということは倉凪は三回も下級生の女子を振ったのか……?」
 由梨のもっともな疑問に、雅はいいやと頭を振った。
「あいつ年下には一切興味ないんだと。年下相手にはライクこそあるもののラブは一切なし。あたしが色々と手を打とうとしている間にその噂が広まって」
「自然消滅、か。それで諦めきれるものでもないと思うのだが」
「まーね。でも難しそうだってことで様子見に入ったんじゃないかな」
「ってことは遥ちゃんはまだ可能性はあるんだね~」
 その遥はというと、斎藤に卓球のやり方を教わっていた。
 最初は梢が教えようとしたのだが、説明が下手すぎて話にならない。
 理屈を語るのは苦手らしい。
 再び梢の方を見ると、どうやら藤田に負けたらしい。
 少し悔しそうな顔をしながら、彼に牛乳代を払っていた。
 どうやら今のは賭け試合だったらしい。
 二人揃って腰に手を当て、例の飲み方をしている様はなんとも言えぬ親父臭さをかもし出していた。
「うーん」
「色恋沙汰には」
「程遠そうだよなぁ」
「どうしたの?」
 と、相変わらず事情をよく分かっていない遥がやって来た。
 手にはラケットを持っている。
 どうやら基本的な動作は教えてもらったようだ。
「ん、試合やる?」
「うんっ」
「それじゃ私私私ぃっ! 雅ちゃん馬鹿強くて話にならないし、由梨ちゃんは斎藤君とデスマッチだしねっ!」
 沙耶の言葉通り、既に由梨と斎藤は臨戦態勢に入っていた。
 お互いラケットを片手に中腰の構えで対峙している。
 おまけに眼鏡がギラリと光っている辺り、不気味としか言いようがない。
「ふふふ、カラオケでの決着はここでつけるとしようか……!」
「後悔するなよガリ勉女君。根暗眼鏡と言われたことは忘れていないぞ……!」
「ガリ勉女か……それはそれは。私のリミッターを解除するキーワードをよくぞ知っていたものだ」
「くくく……」
「ふふふ……」
 怖い。
「な、なんか冷気が漂ってる?」
「気にしたら負けだ遥。この二人が対峙したときはいつもこうだから!」
 自らの身体を抱くようにして遥たちは身震いしていた。

「君の動きは単調で読みやすいな」
「くっ……!」
 派手さはないものの、的確な動きで試合は展開していた。
 現在リードしているのは斎藤。
 試合開始直後は由梨が斎藤を圧倒していたのだが、しばらくすると斎藤の方が押し始めた。
 どうやら前半は由梨の動きを読むことに専念していたらしい。
 ぱこん!
 由梨がいくら打ち返しても、斎藤は無駄のない動きで更に打ち返す。
 相手がどこに打とうとしているのか、その構えから完全に読んでいるようだった。
 逆に由梨は感情的になってきている。
 勢いはあるものの、動きが単調になってきていた。
「さすが斎藤……俺でもあいつにゃ勝ったことないからなぁ」
「え!?」
 観戦していた梢の発言に、遥が驚いて振り向いた。
 梢は人間離れした、いわば規格外の身体能力を持つ。
 その梢が勝てないとはどういう実力なのか。
「いや、卓球みたいなスポーツだと力任せってわけにもいかんだろ、オーバーしちまうから。結局はテクニック勝負になっから、そうなると俺はあんま強くないぞ」
「なるほど……じゃ頑張れば私も梢君に勝てるのかな」
「さすがにこれから初勝負やる奴には負けたくないんだけどな……」
 そんなことを話しているうちに、勝負は決まった。
 点差はさほどないものの、どう考えても斎藤の圧勝だった。
「ふっ、僕の元にひれ伏すがいい。はっはっはっは!」
「うぅ……く、くやしくなどない! 次こそは絶対勝ってやるっ!」
 鋭く目を尖らせて、薄っすらと涙を浮かべていた。
 そんな由梨を尻目に斎藤は『天下蹂躙』の扇子をパッと広げて高笑い。
 なぜか異様に似合っているのだが、誰もそのことは言わない。
「んじゃ次は私と遥ちゃんだねぇ」
「うん。お手柔らかにね」
 軽く手をタッチさせてから二人は対峙する。
 沙耶は軽くステップを踏みながら。
 遥は静かに構えながら。
 二人の性格を現した動きに、周囲の視線が集まる。
「勝負をやるからには負けないのが私の主義なのだー。よってここで遥ちゃんを負かして、常日頃の汚名挽回をさせてもらうよっ!」
「沙耶……君は間違っているぞ」
 汚名は挽回するものではない。
 だがそのことまでは言わない由梨であった。
 というか立ち直りが早い。
「それじゃ、いっくよー!」
「うん、いいよっ」
 ぱこん、と音が鳴り響き。
 卓球トーナメントが、始まったのであった。

「優勝、藤田四郎ーー!」
「イェーイ!」
 梢が優勝者を宣言し、藤田は力一杯のガッツポーズを取った。
 野球で鍛えた動体視力や運動神経が物を言ったのか、最初から最後まで藤田の一人勝ちである。
 決勝戦で彼と戦った雅もまるで適わなかった。
「くっそー、あそこまで強いか。やっぱ運動部入ってる奴は違うね」
「雅ちゃんも十分強かったと思うよ」
 そう言う遥は初戦敗退。
 運動神経は人並以下という沙耶にも翻弄されてしまった。
 着物がはだけてしまわないかと心配していたのも大きい。
 その点沙耶はまるで気にとめていなかった。
「俺もまた負けたからなぁ」
 梢はあの後、新たにトーナメントに参加して雅と戦った。
 が、あっさりと敗北してしまい、あとは観戦するだけであった。
 どうもテクニック重視の競技は苦手らしい。
 由梨と斎藤もトーナメントということでもう一度戦ったが、今度は終始斎藤ペースであった。
 現在由梨は暗いオーラを発しながら、ぶつぶつとなにかを呟いている。
 遥はなぜここまで二人の仲が悪いのか気になったが、聞く勇気もない。
「あ、なにか飲み物買ってこよっか?」
「ん、おお頼む。財布なら俺の鞄に入ってる奴使っていいから」
「はーい」
 ぱたぱたと駆けながら遥がカラオケルームへと入っていく。
 その間に沙耶が梢の元に駆け寄ってきた。
「ねぇねぇ倉リン、ちょっとちょっと」
「あんだよ、つーかその倉リンっての止めろ!」
「えー、スラリンみたいで可愛いじゃん」
「可愛いあだ名なんていらんしそもそも俺はスライムじゃねぇっ!」
「そんなことは置いておくとして」
 沙耶は梢のツッコミを完全に無視した。
 どうせまともに聞いてもらえないということは梢も分かっているため、それ以上は言わない。
「倉リンってどんな娘がタイプ?」
「はぁっ?」
 唐突な質問に梢は眉を潜めた。
 どこか胡散臭そうに沙耶を見る。
「またなんか企んでるんじゃねぇだろうな」
「とんでもない。今回は普通に興味があって聞いただけ。お風呂でちょっとその話題が盛り上がってさ」
「俺は清楚で大人しくて包容力のある娘がいいなぁ~」
「はい藤っち終了。で、倉リンは?」
 ちょっと落ち込んでる藤田を尻目に、沙耶は梢の口元に拳を近づけた。
 マイクのつもりらしい。
「……そもそも、んなこと考えたことないからなぁ」
「倉リン、それ一番駄目な答えだよ。皆で好きな娘の話してるとき、一人だけ『俺はそんな奴いねーよ』とか言うのと同じぐらい最悪だね」
「いやに具体的な例だなオイ」
「しかし、そうだねぇ倉凪。もうちょい面白い答えないのかい?」
 雅までもが参戦してきた。
 梢は腕を組み、頭を下げてなにやら考え込み始めた。
 だがいくら考えても、はっきりとしたイメージがわかない。
 だがそう答えたらまた文句を言われるだろう。
 だから一番無難な答え方をした。
「まぁ、うちの妹に似てないような感じの」
「……こっちはこっちで」
「はっきりしないねぇ」
 雅と沙耶は重い溜息をついた。

 結局一同はその後、子供のように遊んで、見事に体力切れでぶっ倒れた。
「いつまで経ってもガキじゃのう……」
 そんな白木老人のぼやきも、いびきをかく若者たちには届かないのであった。