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ローマ人の物語/ヴェスパシアヌス

 ローマ人の物語。今回の舞台は三人の皇帝が相次いで倒れた後の時代。
 この巻では、前半が属州兵の反乱やユダヤ人との攻防、後半がヴェスパシアヌスの治世についての描写となっています。
 ヴェスパシアヌスは堅実という印象が最初に来ます。危険な博打はほとんどしない。それも、彼個人だけではなく、彼の周囲にいる人々皆がそういう姿勢であったために、内乱で疲弊した帝国の再建を達成出来たのではないかな、と思います。堅実過ぎて、それほど描写は多くありませんでしたが、それが彼らの魅力を損なうわけではありません。
 ただ、彼らが堅実な行動を取ろうとしたのは、やはり前の巻で触れた内乱の後だったから、というのもあるような気がします。多くの前任者たちの失敗を見ていれば、ある程度良識のある人なら堅実にやろうと考えたんじゃないかなぁ……。
 むしろ、個人の気質よりもローマ帝国のシステムの方が印象に残りました。ユダヤ人という特異性の強い人々と比較してみると、それがよりよく分かる気がします。


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