記事一覧

ローマ人の物語/ハドリアヌス

 賢帝の世紀・中の主人公は五賢帝の三番手、ハドリアヌス。即位の際に生じた疑惑や問題、「一貫しないことでは一貫した」と評される気難しい性格など、ハドリアヌスは個人としての面が強い人物のように感じました。上巻の主人公であるトライアヌスが「私」を見せず「公」としての面を強く持っていたのとは好対照ですね。まあトライアヌスは史料がほとんど残ってなかったという事情もあるんですが。
 中巻のメインはハドリアヌスが決行した「再構築の旅」。広大なローマ帝国の各地を、最高統治者が直接視察する。こういう発想がどこから来たのか結構気になりますね。当初は短期間で済ませるつもりだったのが、「これはまずい。他のところも見て回らなければ」とでも思うようになったのでしょうか。
 しかし、現場の人はどう思ってたのかと想像すると、少し笑えるのは気のせいでしょうかね。ハドリアヌスみたいな気難しく手厳しい皇帝が職場に現れるのだから、結構「うわ、今度うちに来るのかよ」とか思う人もいたんじゃないかな、などと勝手に想像してみたり。

ローマ人の物語〈25〉賢帝の世紀〈中〉 (新潮文庫)
ローマ人の物語〈25〉賢帝の世紀〈中〉 (新潮文庫)塩野 七生

新潮社 2006-08
売り上げランキング : 15614

おすすめ平均 star
star精力的な皇帝
star百聞は一見にしかず

Amazonで詳しく見る