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ローマ人の物語/コモドゥス

 マルクス・アウレリウスの続きと、その息子コモドゥスを描いた「終りの始まり」中巻。
 マルクスに関しては、人材面では恵まれていたが、それを活かしきれなかったという印象があります。将軍たちとの関係自体は良好そのものでしたが、やはり総司令官としてのマルクスは……。
 ローマ皇帝が単なる政治家であれば、マルクスは優れた統治者でいられたのかもしれません。あるいは、功績はさほどなくとも人々から好かれる皇帝であったかもしれません。養父のアントニヌス・ピウスのように。しかし、ローマ皇帝は戦略家という面も持ち合わせており、彼にはその才が欠けていた、のかもしれません。

 コモドゥスについては、どことなくネロに近いイメージがありました。最初は、統治者としてはちょっとずれているかもしれないけれど、そこまで悪帝ではなかった。しかし、身内との関係悪化から少しずつ壊れていく。
 気の毒ではありますが、肉親との間に確執が起きたのがネロやコモドゥスといった後世曰く「悪帝」である人々だと考えると、有能な皇帝はその辺りも察して身近な人間関係のメンテナンスとかも行っていたのかな、などと思います。そういうのに無頓着そうな人もいますが(ティベリウスとかハドリアヌスとか)、彼らは肉親との確執などさして気にもしなさそうな鋼鉄の精神持ってそうですからねぇ……。


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