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ローマ人の物語/内乱とセプティミウス・セヴェルス

 ガルバやオトのときとはやや異なる様相を呈した、コモドゥス死後の内乱。そして、それを勝ち抜いたセプティミウス・セヴェルスの物語。
 内乱をセヴェルスが勝ち抜いたのは、優れた能力の持ち主であることの他に、思い切りの良さがあったからでしょう。いきなり同郷のライバルを「共同統治」という餌で抑え、首都を抑え、遠方の敵を討ち、後顧の憂いを除いたところで「共同統治者」であるはずの同郷人をあっさり撃破。
 何か怖そうな印象もあって、スッラを思い出してしまいます。
 個人的に、セヴェルスはどうも好きになれません。専制君主っぽいからでしょうかね。あまりローマ皇帝らしくないというか。彼は彼なりにローマのことを想って行動したのかもしれませんし、その能力もあるという自信があったのかもしれません。確かに、彼の経歴からすると、一度定めた目的を達するという点においては相応の能力はありそうです。問題は、方向性でしょうか。もう少し違う視点を彼が持っていたら、と思います。
 ある意味、マルクス・アウレリウスと対になる印象があります。この二人を足して二で割れば、ちょうど良かったんじゃないか、などと。

ローマ人の物語 31 (31) (新潮文庫 し 12-81)
ローマ人の物語 31 (31) (新潮文庫 し 12-81)塩野 七生

新潮社 2007-08
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おすすめ平均 star
star内乱期ではあるが人材の宝庫を感じさせる
starああ、終わりの始まりがはじまってしまった!
star日本人必読の書。

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