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歩くのはいいもんだ

 思いつきで職場(御徒町)から自宅(池袋)まで歩いてみました。およそ一時間半程度也。鞄が軽けりゃそう苦にならないことが分かりました。道も案外単純でしたし。
 ちなみに私の鞄は結構重いです。

 最近は技術的な話ばっかしてたんで、このサイトの本義に立ち返って読書感想でもつらつらと。

【塗仏の宴】
 長い。
 京極さんの小説はもともと長いですが、それが上下に分かれている(私は分冊版だったのでもっと多い)ので、すごいことに。
 評価としては、純粋なミステリ好きからは敬遠されるだろうけど、エンタメ作品として見ると面白い――って感じでしょうか。
 催眠術はヤバイですって。

【天下布武~夢どの与一郎~】
 戦国期の細川忠興を主役とした歴史小説。特に中心的人物として登場するのは、忠興(与一郎)と同僚の二人。信長の小姓として、協力したり対決したりしながら成長していく三人組からは、若者らしい力強さ(と無鉄砲さ)が感じられます。
 ちょっと意外だったのは、物語後半における忠興の父・幽斎の立ち位置。幽斎の立ち位置を重視するとあの展開も頷けるものはあります。立ち回りが上手く先見性に秀でた幽斎、というイメージを持ってると少し抵抗あるかもしれませんが。

【生きて候】
 天下布武が面白かったので、安倍龍太郎氏の本をまた購入。
 これまた舞台は戦国期、主役は徳川家康の懐刀・本多正信が次男、本多政重。秀忠の側近を斬って出奔、朝鮮の役への出陣、宇喜多秀家との出会い、そして関ヶ原へ――。
 己の正義を貫く自由人。この作品の政重はそんなイメージです。ちょっと綺麗過ぎかな、と思わなくもないですが、そこを実際の政重の経歴と咬み合わせている構成は上手いです。でもこういう部下を持つのは非常に大変だと思います……。
 あと、正信は割合渋くて良い親父として描かれてますが、正純が小悪党っぽかったのが残念。一貫して己を曲げない姿勢は評価できますが、言動の小物っぽさはどうにかならなかったものか……。

【彷徨える帝】
 世にも珍しい後南朝を扱った小説。これも安倍龍太郎氏の作品です。
 南北朝も大概マイナーですが、後南朝は輪をかけてマイナーでしょう。足利義教やら細川持之やら赤松満祐やら足利持氏やらがこんな出てくる小説がどれだけあることか……。
 歴史好きなら上の面子でなんとなく予想がつくかもしれませんが、物語は「永享の乱」~「嘉吉の乱」がメインとなっております。
 主役となるのは北畠家の裔・宗十郎、そして今川範忠(有名な今川義元からすると曽祖父)の弟・朝比奈範冬。この両名が、後醍醐天皇の念が込められた三つの面を巡って争うというのが大まかな流れです。どちらかといえば伝奇小説の色合いが強いのかな。
 題材は非常に面白かったのですが、構成がやや単調だったのが残念。なんとなく先の展開が読めてしまいました。
 最後のオチもやや力が弱く、いろいろな意味で惜しかった――という印象でした。

 とりあえずはこんなところで。