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平家

 再来年の大河ドラマは清盛主役の平家物語だそうで。
 ちょうど池宮彰一郎氏の「平家」を読んでたところだったので、ちょっとだけ驚きました。戦国・幕末以外にも、日本史には面白い時期がたくさんあると思ってるので、いろいろな時代をやってもらいたいものです。
 古代とか南北朝とか。

 ちなみに池宮氏の「平家」は残念ながら私の好みから大きく外れる類の内容でした。単純な好き嫌いの問題なので、作品の質とはまったく別の問題です。
 この「平家」は一貫して「清盛は凄い」という姿勢で書かれています。物語として主人公を格好良く描くのは何の問題もありませんし、司馬遼太郎氏や池波正太郎氏など、歴史・時代小説の大御所が描く主人公たちも、基本的には超人的な凄みがあります。
 ただ、そのために他の人物をやたらと否定する傾向があるのは、個人的にどうしても好きになれないんです。
 主人公を他の人物と比較して、どこが凄いのか説明するのは効果的です。しかし何度も比較相手の評価を落とすような文章が出てくると、「単に他が駄目なだけで主人公が凄いってわけじゃないんじゃないのか」とか「単に著者がこの人物を嫌いなだけじゃ……」という印象を受けてしまうのです。
 それも、物語の流れで自然とそう魅せてくれるなら読者としても上手く騙されるのですが、この「平家」だと地の文で、物語から少し浮いた形で表現されている気がするんですよね……。

 以前「風の群像」の感想を書いたときも触れましたが、どうもこういう傾向の作品は苦手ですね……。
 好きな方には申し訳ないのですが。